体にイボを見つけて来院されると、「先生、脂肪の塊ができたみたい」、
または「他の病院で脂肪の塊があると言われていた」と良く耳にします。
さて、脂肪の塊とは何なんでしょうか?
そもそも、脂肪の塊が皮膚や皮下に出来るものでしょうか?
メタボの人がお腹の周りについているのが脂肪です。
しかし、脂肪の塊というのはほとんどありません。
犬も猫も、脂肪のかたまりが出来るということは少ないです。
では、脂肪の塊ができたというのは、何でしょうか?
それは、脂肪腫、アテロームがほとんどです。
中には、悪性の腫瘍も含まれています。

皮膚に、もしくは、皮膚の下(皮下)に塊がある場合は
可能な限り、獣医師に診断してもらうか、針生検(バイオプシー)検査を
行ったほうが良いと思います。
この子は、後肢にしこりができ、飼主さんは狂犬病接種時に
脂肪の塊があるので、様子を診てくださいといわれ、心配で来院されたゴールデンです。
ゴールデンは、腫瘍が良く出来る犬種で、
皮膚、皮下、内臓、骨とありとあらゆる場所に良性・悪性問わず発症して来院されます。
飼主さんは様子を診ていると大きくなっってきた、でも痛みもなく、びっこもひかず、
元気、食欲もあるので、様子を診ていたと言っていました。
早速、診察を行うと、後肢の体表リンパ節は腫れておらず、また、痛みもありません。
さらに、腫瘍も柔らかく、確かに、脂肪のような感じでした。
飼主さんに、脂肪のようだけど、きっと腫瘍の一種だと思うので、
病理検査を行っても良いでしょうかと、相談しました。
飼主さんは痛みが無いならしても良いと言って頂いたので、すぐに飼主さん
立会いの下で針生検を行いました。
簡易検査の結果、脂肪腫と診断しました。
脂肪腫は良性の腫瘍で、徐々に大きくなること、また、切り取らないと
大きくなっていくことが多いこと。
でも、転移はしないことをお伝えし、治療法を相談しました。
飼主さんは、腫瘍なら切り取ることを決められました。
その後、手術前の検査を行い、麻酔に対するリスクが低いと診断し、手術日を決めました。
手術は日帰りの手術で、術前に痛み止めを服用していただき、
手術となりました。
手術は40分で終了し、3時間後には退院となりました。
手術し切除した腫瘍を飼主さんに診ていただき、病理検査をお願いいたしました。
病理の結果は『脂肪腫(良性の腫瘍)』と診断されました。
病理結果をお返しし、検査結果のお話をし、10日後、抜糸となりました。
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