しかし、1日に何度も吐くことは、そうそう無いと思います。
この子は1日に10数回、吐いていると来院されました。
1日に何度も吐く子の一番多いのは、異物です。
2番目には肝炎、膵炎、胃腸炎です。
飼主さんに、異物の可能性の有無を確認し、念のため、レントゲンを撮らせて頂きました。
異物があるような画像は見られず、内臓疾患を疑い、血液検査を行いました。
病院内で10分ほどで結果が出るので、すぐに結果を見ても多きな異常はありませんでした。
でも、ワンちゃんは何度も吐いているので、血液検査やレントゲンで見つからない病気を
疑い、エコー検査を行いました。
エコーの結果、肝臓や、腎臓に異常は無く、
もちろん異物も無く、もう少し、詳しく見ると、膵臓の領域、
またその周辺に異常が認められました。

この画像を見てすぐに分かる方は多くないと思いますが、
膵臓周囲、もしくは血管に異常が認められ、膵炎を疑い、動物専門の検査センターに
膵炎の酵素測定を依頼すると同時に、飼主さんに入院、点滴の必要性があること、
また、手術などの必要性はないことをお伝えし、今後の方針を決めました。
飼主さんの希望は、遠方からのお越しだったので、通院が難しいこと
また、帰宅しても面倒を見てあげられないことから入院、治療となりました。
早速、膵炎の検査を依頼し、入院点滴両方を行いました。
入院をし、翌日には元気になり、吐く回数も改善していきました。
入院から3日目には、嘔吐も無くなり、食欲もあり退院となりました。
膵炎は、現在、どこの病院でもすぐに膵炎と分かるような検査機器は無く
また、今まで言われていたような、アミラーゼ、リパーゼも膵炎以外でも上昇することから
特異的な酵素ではなくなっています。
本院では、臨床症状、血液検査、超音波検査を行い、これで分かる場合は
飼主さんに超音波増をお見せし、入院していただくことが多いです。
膵臓の酵素は東京の検査センターでしか検査が出来なく、
また、採血後、数日を要するので、膵炎の診断は時間がかかります。
そのため、超音波検査で可能な限り、診断を付け、治療の方向性を示します。
膵炎は、治療までの時間が大切な疾患ですが、早々の確定診断が難しい疾患です。
そのため、リアルタイムで分かる、超音波検査が有効と思われています。
まずは、嘔吐、下痢、食欲不振がある場合は、どんな子も膵炎を
念頭においておくことが良いかもしれません。
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