犬の場合、眼のふちにイボがあることはよく見かけます。
この子も、1年前から眼にイボがあり、徐々に大きくなってきたので
心配で、来院されました。
眼には、このように上と下にイボがあります。
診断名はマイボーム腺腫です。
ほとんどが良性の腫瘍で、徐々に大きくなるのが特徴です。
目薬だとか、内服薬では治ることはほとんどありません。
この子も1年かけて、徐々に大きくなりました。
このままにすると、角膜にあたり、角膜炎を起こすか、角膜潰瘍を起こし、
目ヤニ、涙がひどくなり、最悪は失明することもあります。
飼主さんは、徐々に大きくなった腫瘍を気にして来院されたので、
手術には前向きでしたが、お年もいっているので心配されていました。
本院では、どんな手術でも術前検査を行い、麻酔のリスクを確認してから
手術のお話をしますので、この子も、事前に検査を受けていただき、
さらに、手術に立ち会っていただくことになりました。
手術前の写真です。

このように、直径0.6cm大の腫瘍が眼のふちにできています。
もう一つは眼を閉じているので、分かりにくいですが、直径0.4cm大の腫瘍です。
手術は、眼のふちごと、切り取り吸収糸(溶ける糸)を使用し、
元の形に戻しながら、縫合します。

術後、すぐの写真です。
痛々しいですが、出血量も抑えていますし、痛み止めを使用し
手術を行っていますので、思ったより痛がりません。
でも、痛くないとはいえませんね。
ごめんね。
飼主さんも立ち会っていらしゃったので、全てを診ていただきながら、
術後の目の形が気にならないように縫合し、終了しました。
飼主さんも、最後まで手術を見られ、安心されていました。
手術は、僕たちにとっては毎日のことですが、
飼主さんいにとっては一生に1度あるか無いかの大きな出来事です。
なるべく、飼主さんの不安を取り払えるように、術前検査を行い、
手術の内容、術後の注意点までお話をしてから、手術に入ります。
また、希望があれば手術に立ち会えるようにしています。
現在、おめめをこすらないようにカラーを付けていただいています。
1週間の辛抱なので、もう少し待っていてくださいね。
パッチリおめめになりますから。
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