猫は風邪を引きません。猫に風邪のウイルスは無いので、風邪は引きません。
でも、よく動物病院で風邪ですと診断されるのは、猫の風邪といわれる
『猫伝染性鼻気管炎』です。別名『FVR』といわれます。
今回、猫のFVRに罹患し、角膜炎から角膜潰瘍になり、穿孔し
失明した猫の眼球摘出術を行ったので、紹介します。
子猫を拾われたことのある方は、ご存知かもしれませんが、
拾われた猫ちゃんのお眼めから目ヤニ、涙が出ていて、
鼻水も出ている子を見たことがあるかもしれません。
その子は、きっとFVRに伝染しているのでしょうね。
猫のFVRが親猫から伝染することが多く、特に捨てられた猫ちゃんは
親から離れたストレス、環境の変化、食事などの様々なストレスから
発症するものと思われます。
FVRは一度感染すると、一生にわたり持続感染し、健康な時は
神経節に潜伏感染し、ストレスなどの状況で発症します。
この子のように、目ヤニ、涙が大量に出て来院されることがあります。

この子は1ヶ月前から近くの病院で診察・治療されており、
鼻水はなく、食欲もあったようです。
しかし、治療に反応せず、眼が悪化したため、紹介で遠方から来院されました。
初めて見せていただいた際には、デスメ膜瘤になり、眼が破裂寸前でした。

飼主さんに、破裂寸前であること、破裂までは時間の問題であること、
現在の獣医学では、改善が難しいことをお伝えし、手術をお勧めしました。
飼主さんは治ると思い治療されてきたので、困惑されており、
考える時間が欲しいとのことで、手術は延期となりました。
数日後、飼主さんからお電話があり、
眼から水のようなものが出て、目が開かなくなった、失明したかもと
あわてて連絡がありました。
診察をすると、確かに、角膜穿孔していました。
飼主さんも手術が必要と理解されており、緊急に手術となりました。
手術は、角膜穿孔で、角膜が損傷を受け眼球温存が難しいので、
眼球を切除し、感染症を起こさないよう、眼瞼縫合を行いました。
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