新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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ウサギの子宮腺癌
 ウサギの患者さんが、年々増えています。
北海道では、まだ、ウサギ専門の動物病院がありません。
ウサギが好きで、ウサギの診療に力を入れている先生も増えてきました。

 本院でも、ウサギの患者さんが増えて、手術するケースが増えています。
ウサギは犬、猫とお薬の使用量、使用方法もまったく異なるので、
一から勉強しなくてはなりません。
 また、とてもデリケートな動物なので、むやみに触診したり
検査したりが簡単ではない動物です。

 血尿があるというので、近くの病院に行かれ、レントゲンを撮り
『膀胱炎』と診断され、お薬も投与されました。
しかし、改善しないので、本院へ来院されました。
 血尿=膀胱炎というのはその通りですが
ウサギの年齢、オス,メス、出血の時間、タイミングを考慮し
仮診断します。
 この子は6歳、メス、未避妊、食欲問題なし、レントゲンでも問題ないとのことで
子宮疾患を疑い、超音波検査を行いました。
 飼主さんと一緒に超音波検査をしていると、明らかに子宮にマス様の陰影があり、
そのまま、エコーガイド下で尿検査を行いました。
 結果、膀胱尿には問題なく、画像診断でも子宮疾患を強く疑いました。

 飼主さんに子宮の病気で血尿になっていることをお伝えし
手術の薦めました。
しかし、本院ではウサギさんの麻酔は5歳を過ぎる頃から
難しくなるので、しっかりと麻酔に関してお話をさせていただき、
手術の際も立ち会うことで手術となりました。
 血液検査で特に異常も認めず、手術の日になりました。

 手術の前に、痛み止めを接種し、血管を静脈に確保し
麻酔となりました。
 お腹の毛を刈り、消毒をおこない、お腹を開けると
すぐにおかしな色になっている子宮を確認しました。

ウサギの子宮腺癌

 このように、子宮は子宮間膜に脂肪が大量に付き
子宮は赤く変色し大きく浮腫を起こしています。
 すぐに、子宮を取り除き、他の臓器に問題がないかを確認し
お腹を閉じました。

ウサギの子宮腺癌 病理

 取り除いた子宮はこのように、大量の脂肪と変性した子宮でした。
すぐに、病理検査に出し、結果は『子宮腺癌』でした。
 
 ウサギの子宮腺癌 術後

 手術後は覚醒するまで飼主さんもウサギさんの側にいていただき、
覚めるまで一緒に居ていただきました。
 手術の1時間後には普通に飛べるようになり
翌日、無事退院となりました。
 現在は、血尿もなく、食欲もあり
1週間から10日後に抜糸の予定です。

 飼主さんは手術の前から眠れなくて、精神的にも疲れていらっしゃいましたが
手術が予定より早く終わり、出血も少なかったことから、
術後から安心されていました。
 本当に、良かったですね。
 
 ウサギの不妊手術は海外に比べ、少ないと思いますが、
メスの場合、早い時期にされると良いと思います。
 この子のように、年齢を重ねるごとに脂肪が付き
手術も難しくなるので。
 
 子宮疾患はウサギでは良く見かける病気なので、
不妊手術をしていない、4歳以降のウサギさんの飼主さんは
覚えていただいているとありがたい疾患ですね。



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