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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 50歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
北海道小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山
   クロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   カヤック
   

 

 

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猫の動脈血栓塞栓症の新しい治療薬
 猫の大動脈血栓塞栓症で来院される方が多くなっています。
猫が急に鳴く、歩かない、歩けないなどの症状で来院されます。

 この子は、ある日突然、歩けなくなり
近くの病院で心筋症と血栓塞栓症(ATE:Arterial thromboembolism)
と診断され、詳しい検査の希望で来院されました。

検査の流れは
1、検査室内:体温、心拍数、心雑音、歩き方
2、胸部レントゲン:心臓の大きさ、肺水腫の有無
3、血液検査:心筋症の状態:ANP,BNP、甲状腺機能
4、超音波検査:心筋の厚み、左心房の大きさ、LA/AO
5、心電図:不整脈、心拍数

 上記により、心筋症の病態、血栓症の重症度を把握します。
結果により、治療法が異なります。
1、入院の必要性:酸素室(ICU)
2、血栓塞栓症の治療(内服、注射、点滴など)
3、外科手術

当院では、このような手順で検査、治療を行なっています。

ATEは死亡することが多いと報告されていますが、
当院では、初期治療などの徹底から、報告されているより
生存率が高いので、初期の検査、治療を徹底しています。

 それでも、再発することがあります。
この子は、元気で可愛い5歳の猫ですが、今まで2回再発し
その都度、検査と治療薬の変更により、治癒していました。
今回で3回目の再発で、循環器専門医と協議した上で、
新しい治療薬を試みることとなりました。

 リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)

P3191605_convert_20200330095732.jpg

 経口抗凝固薬:猫に副作用のない薬であり、
        ジョージア大学で研究が重ねられています。
        国内では、大学などで研究がされていますが、
        未だ報告例が少ない薬です。
詳しくは下記に論文を掲載しておきます。
凝固系の働きも記載しています。

Quinn_Figure-1_Site-of-Action.png
(下記より転載)
https://www.mspca.org/angell_services/novel-oral-anticoagulants-noacs-in-veterinary-medicine/


 猫のATEの生存率は、一般的には低いとされていますが、
初期治療により、生存率が上昇すると言われています。
当院でも、初期から治療に力を入れ、一般的な生存率より
高くなっています。
リバーロサバンは、今後、犬の肺塞栓症などの症例にも
使用される薬となると言われています。
猫において、副作用もないのが特徴です。
 高価であること、まだ使用例が少なく
報告例も少ないことから、研究が進歩することを望まれています。


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