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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 50歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
北海道小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山
   クロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   カヤック
   

 

 

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3歳のFブルドッグの脳腫瘍(グリオーマ)の治療
 3歳のFブルドッグが朝からヨダレと顔が痙攣していると来院されました。
緊急で診察すると、診察台の上にヨダレが垂れるくらい出ていました。
口の周囲もチック状に痙攣していました。
意識や、歩行は正常でした。
 飼い主様に、血液検査とレントゲン、同時に、
酸素化と体温の上昇を抑えるためICUへ入っていただきました。
検査の結果に異常は認めず、脳疾患であることを伝え、
ジアぜパム、レペチラセタムで痙攣を抑制しました。
 飼い主様には、てんかん、脳炎、先天的異常、脳腫瘍を示唆しました。
すぐに検査をしてほしいということで、翌日、MRIを撮影しました。

_convert_20200316152128.jpg

結果、脳腫瘍が視床下部に近く、深い部位に認められました。
腫瘍は造影などの画像から、グリオーマと診断されました。


 グリオーマは、脳にできる腫瘍で
髄膜腫についで、2番目に多い腫瘍です。
若齢での発症が多いとされています。
 当院でも、4歳のパグがグリオーマと診断されていました。
パグ、ボクサー、Fブルなどの短鼻種、短頭種の犬に発症が多いとされ、
治療を行わないと
2〜3ヶ月で死に至ることが報告されています。

 飼い主様に、治療法の説明を行いました。

1、外科的切除:完治が望めるが、手術に対する副作用など
        命、術後の問題などがある。
2、放射線療法:完治は難しいが、QOLの改善が見込める。
        麻酔が必要で、大学などでの治療が必要
3、対処療法:治癒は望めないが、麻酔や、副作用などはない

飼い主様は手術が可能なら、してほしいということで、
酪農学園大学の神経科の教授、日本大学の外科の教授に相談と
精査を依頼しました。
先生たちの意見は、発生部位が、深く、完全に切除は難しい
手術が成功しても、目が見えなくなる、歩けなくなるなどの
弊害も起こるだろうと説明されました。
 飼い主様は、いろいろ考え、放射線療法を臨まれました。
北海道では、脳の放射線療法ができる施設は北海道大学しかないとこから、
北海道大学での治療を行うこととなりました。

 現在、内服にて症状はありませんが、
これからの治療に関して不安があると思います。
今後は、大学と連携し飼い主様の不安を少しでも
毎回、お話をしています。

 動物病院では、6歳未満は特発性てんかんで
それ以上では、脳腫瘍などを疑うと言われています。
 しかし、海外の論文では
若齢でも気質的変化をMRI、CTなどで精査をするべきだと
報告されています。
J Am Vet Med Assoc. 2015 Feb 15;246(4):447-50.
Epilepsy in dogs five years of age and older: 99 cases (2006-2011).
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