「もしかして副腎疾患?」と来院される方が多くなりました。
これは、フェレットの飼主さんが良く勉強されている方が多い証拠ですね。
フェレットの副腎疾患は初期症状はやはり、背中、尻尾などの脱毛です。
当初は季節の変わり目の換毛期と思われることも多いです。
フェレットの副腎疾患とは副腎皮質に過形成が生じ、ホルモンバランスが狂い
脱毛、陰部の腫大、痒み、体重減少、行動の変化などが生じる病気です。
下記に発生要因を書いておきます。
1.発症年齢・・・3.4±1.4歳(早い子は1歳で発症することもある)
2.性別・・・・・・・オス、メス 関係なし

この子は尻尾の毛がなくなり
『ラットテール』といってネズミの尻尾のようになっています。
このような子は、血液検査、超音波検査などをお勧めしています。
本院では、超音波検査で副腎の腫大が認められ、
かつ、血液検査で、性ホルモンの上昇が認められた場合は
『副腎疾患』と確定診断しています。
副腎疾患の治療には内科療法と、外科療法の2種類があります。
今回は、内科療法に関して説明します。
本院では内科療法を薦める規定があります。
○飼主さんが外科療法を望まない場合
○手術に耐えれない状況、状態の場合
○片側の副腎をすでに切除している場合
○5歳以上、心筋症、糖尿病を併発している場合
内科療法に関しては、本院では7年前から治療を始めています。
過去には、飲み薬、注射、ビタミン剤などを使っていましたが
現在では、内科療法を希望される場合は、GnRHアナログ(アゴニスト)を使用しています。
商品名はリュープリン(酢酸リュープロレリン)で、1ヶ月毎に皮下に注射しています。
発毛まではほとんどの子が4週間くらいで効果が出ます。
注射の効果は本院では持続し、1年後も再発せずにいる子もいますが、
2〜8ヵ月後に再発するという報告もあります。
これは、上記のフェレットに2回 リュープリンを注射した後の写真です。
このように、尻尾の毛が立派に生えて、『ラットテール』も認められません。
注射後、2ヶ月でここまで毛が生えてきたので、飼主さんも大喜びされていました。

以上のことから、再発の可能性、また、副腎が悪性の『腺癌』の場合、
『癌』を放置することになるため、飼主さんとの話し合いが重要になります。
また、内科療法を選択されても、定期的な検査が必要なことも
飼主さんにお伝えしなければなりません。
フェレットの副腎疾患は珍しい病気ではありませんが、
すべて、内科療法でコントロールできるという訳ではありません。
また、リュープリンが1番の治療でもありません。
飼主さんと、よく話し合い、何が良いのか、
また、今までの経験をお話をした上で、治療法を決めています。
フェレットは上記以外にも、若くしてリンパ腫、脾臓の腫瘍といった
犬猫では、起こりづらい病気も起こる動物です。
ワクチンなどの定期的な予防を受ける際に、ゆっくりとお話をされると良いですね。
プロフィール


