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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
札幌小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   

 

 

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ダックスの耳道内にできた腺癌の外科手術
 犬の耳が急に臭くなったり、汚れたりした際は
外耳炎になっています。
中には、悪性の腫瘍が原因の場合があります。
 この子は、高齢になり、急に耳がただれ、臭くなり、耳を振っていました。
トリマーさんに指摘され紹介され来院しました。

 耳は、ただれと、臭いが重症で
飼い主様も心配されていました。

P8161320_convert_20190924094909.jpg

 このように、炎症と感染が併発していました。
耳鏡で確認すると、垂直耳道にイボが確認できました。
飼い主様に、モニターでイボの確認していただき、
同時に感受性試験も行いました。
 飼い主様から、今まで外耳炎になったことがない、
皮膚炎にもなったことがないなどの稟告から、腫瘍による
問題が強く疑われました。

 飼い主様の希望で、イボの病理検査を行いました。
病理検査の結果は、悪性の腫瘍である腺癌と診断されました。
 耳の腺癌は耳に発生する悪性腫瘍の中で一番発生が多い腫瘍です。
腺癌は耳の腫瘍の30%を占めており、3頭に1頭は悪性腫瘍と言われています。

 文献によると
犬 19 例中 17 例は病理組織学的に診断され、
12 例(71%)が良性で、5 例(29%)が耳垢腺癌
(3 例は非浸潤癌、2 例は浸 潤性不明)であった。

犬 19 例は外側耳道切除術(LECR)を中心とする保存的手術で治療し、
水平耳道の耳垢腺癌の 1 例(LECR・ 切除生検後の 1.5 ヶ月後に再発)を除き、
術後の再発がみられた症例はなかった。
(Jpn. J. Vet. Anesth. Surg. 47(4): 59–64, 2016.から転載)

 手術は、全身麻酔下にて行われます。
基本、日帰りになりますが、水平耳道などに発生した腫瘍は
1泊になることもあります。
 
 この子は、腫瘍の手術と歯石の除去も同時に行いましたが
日帰りになりました。
 手術は、腫瘍の発生部位により異なりますが、
耳道の皮膚も切除を行いました。
出血量も少なく、この子は、神経障害もまったくでませんでした。
腫瘍は、悪性の腺癌だったので、マージンを大きく切除しました。

 P8161323_convert_20190924095003.jpg

切除後は、10日くらいカラーをつけていただきました。
10日後に抜糸も行いました。
 病理の結果から切除した腫瘍は、
マージンも含め完全に切除できていました。

 P8161327_convert_20190924095041.jpg

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 耳の腺癌は、早期の発見ができれば
ほとんが、完全に切除でき、転移も認められません。
 この子も、早期に切除が可能だったので、
手術後の化学療法などもなく、元気にしています。

 早期に耳の腫瘍を見つけるには
耳鏡や、オトスコープが必要になります。
当院では、早期にオトスコープを使用し、
腫瘍、異物、炎症の鑑別を行うようにしています。

 中高齢になり、耳だれ、炎症、痒みが多い場合は
腫瘍を疑っておくことも大切なのかもしれません。
この子は、手術後、耳だれ、臭いなどは全く無くなりました。
再発の可能性も低いので、飼い主様も安心されていました。
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