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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
札幌小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   

 

 

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猫の肥大型心筋症による動脈血栓症の内科療法
 猫の心臓病の多くが心筋症です。
症状がなく、心雑音を軽度で、偶然見つかることがほとんどです。
当院でも、手術前検診、定期検診、呼吸器疾患の検査で
見つかります。

 この子は、心筋症の治療を行い、血栓の予防もしていました。
急に、両方の後肢が動かず、痛みを伴い来院されました。
心エコーでは、左心房の拡大が認められました。

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診断は、心筋症から大動脈血栓塞栓症(ATE)
猫の当ては予後が悪く、生存、退院できる子は、
30~40%と報告されています。
退院後の生存期間は、117日(Smith 2006),184日(Atkins 1992)
と報告され、予後が悪いとされています。

ATEの治療法には、疼痛管理、心不全の管理、血栓形成の管理です。
この子は、すでに、心不全の管理、血栓の管理は行っていました。
呼吸の状態があるいこと、痛みがあることから
1、ICUでの入院
2、血管確保
3、痛みの管理(ブトルファノール、ブプレノルフィンの投与)
4、血栓溶解療法(組織プラスミノーゲンアクチベータ t-PA)
(低分子ヘパリン)

上記の流れになります。

この子は、開口呼吸、痛みを伴い、緊急を要する状況でしたので、
入院、点滴を行い、組織プラスミノーゲンアクチベータ(モンテプラーゼ:
商品名:クリアクター)の投与を開始しました。
同時に、鎮痛薬と、低分子ヘパリンの投与も行いました。
30分くらいで痛みがとれ、開口呼吸も治ってきました。
モンテプラーゼは、かなり高価で、40万単位で
5〜10万くらいします。

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こちらの、モンテプラーゼを1日1回 3日連続で投与しました。
同時に、低分子ヘパリンも併用しています。
低分子ヘパリンは高価ではありませんが、
1日2回接種の必要性があります。
モンテプラーゼと低分子ヘパリンの併用が
論文では、効果があると報告されています。(Saida 2013)

 当院では、内科療法の場合、
このような流れと治療になります。
人の血栓症のように、発症時間との関連、
血栓溶解剤の効果など、まだまだ分からない部分が多くある猫のATEです。
 治療薬が高価なこと、急な発症などから
飼い主様も精神的に困惑すると思いますが、
可能な限り、ご説明を行い治療させていただいております。

 この子は、入院3日目で無事退院となり、
今は、少しづつ足が動くようになっています。


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