多くが歯周病ですが、癌で来院されることもあります。
猫の口の中にできる腫瘍は
国内の大学の報告では、扁平上皮癌が67%
それ以外の歯原性腫瘍や良性の肉芽腫が33%と報告されています。
病理検査センターでは、89%が悪性の扁平上皮癌という報告もあります。
このように、猫の口の中にできる腫瘍の2/3〜4/5が扁平上皮癌です。
転移率は7/52と犬に比べ低いと報告されています。
平均生存期間:203.3日でした。
診断:CT、MRI
病理検査
治療法:外科手術
放射線療法
化学療法
光線力学療法
免疫療法
分子標的療法
上記のコンビネーション治療
猫の口の中にできた腫瘍は悪性の場合が高いため、
肉眼的に異常があれば、早々に精密検査、病理検査を勧めています。
診断が出れば、猫の状態、飼い主さまの意向、手術の方法などを
総合的に判断し、治療に進みます。
この子は、口をペロペロして食欲が減ってきたと来院されました。
お口を開けると、歯肉に直径1.5cm大の腫瘤を認めました。

飼い主様には、腫瘍を疑うので、病理検査をお勧めし、
後日、検査を行いました。
病理結果は、扁平上皮癌、同時に撮影したレントゲンでは
下顎の骨の吸収像も認めました。
念のため、CTで進行を確認しましたが、すでに
下顎に腫瘍が浸潤していました。
リンパ節への転移は認めませんでした。
手術を行い、下顎の切除を行うか、
放射線療法を行うか、いろいろ飼い主様と協議をしました。
飼い主様は、手術後の生活に不安を感じ、猫も高齢であることから
分子標的療法を行うこととなりました。
治療は、根治を目指すなら、外科的に切除しかありません。
放射線、化学療法のみでは根治は難しいのが現状です。
扁平上皮癌の治療法は選択肢が多いですが、
どの治療法を選択しても長所と短所があるので
担当獣医師と納得するまで、ご相談することをお勧めします。
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