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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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猫の肺に転移した乳腺癌の補助療法
 避妊をされていない猫の胸やお腹にイボが出来ると
乳腺腫瘍の可能性があります。

 猫の乳腺腫瘍は、避妊をされる方が多くなり
来院されることが減ってきている病気です。

 この子は、以前、他の病院で乳腺腫瘍を切除し
良性乳腺腫でした。
 その後、またイボができたが
忙しく、来院ができず、大きなり、自潰して来院されました。
 診察時は、腫瘍が大きくなり、
自ら舐めているようでした。

P7160637_convert_20180723105753.jpg

腫瘍の状態から、外科的に切除を勧めました。
年齢が15歳と高齢なので、血液検査を実施しました。
腎不全を発症しており、手術前に
ICUで酸素化と、血圧と腎機能を正常に戻すため
点滴と昇圧剤の投与を行い、準備万端にして手術となりました。

 飼い主様は、年齢と、腎臓病などがあることから
手術を心配されていましたが、術前からの治療で安心されました。

 手術は1時間で終了し、覚醒もスムーズで
ICUで1泊となりました。
 
P7160638_convert_20180723105816.jpg

 術後も経過は良く、日に日に元気になっています。
抜糸は、10日後に行うこととなりました。

 腫瘍の大きさ:8cm3または直径2cmより小型の腫瘍では比較的予後が良く(生存中央期間が3年以上)
          直径3cmあるいは27cm3以上の腫瘍では生存期間が短い(生存中央期間が6ヶ月)。
 リンパ節転移:リンパ節転移のあった猫は、診断から9ヶ月以内に亡くなる率が高い。

 猫のステージ分類
Ⅰ、腫瘍 <2cm
Ⅱ、腫瘍  2−3cm
Ⅲ、腫瘍 >3cm N1
Ⅳ、M1
Ⅴ、ー

ステージが高いほど、予後不良
(Kadosawa et al.1996)

猫の乳腺腫瘍は悪性の腫瘍が多く、
再発も多いことから、可能であれば、
両側、もしくは、片側乳腺摘出術を行います。
 今回も全摘出術を行う予定でしたが、
年齢、腎不全などから部分切除となりました。

 病理検査の結果は、悪性の乳ガンでした。
さらに、リンパ節の転移も認められました。
 猫の乳腺腫瘍は大きくなればなるほど、
ステージが上がり、生存率も低下します。

 猫の皮膚表面にできる腫瘍は悪性が多いため
可能なら早期に診断、治療をお勧めしています。

 術後、補助療法を行うか相談になりますが、
当院でも猫の乳腺癌の術後、補助療法には
いくつか選択肢があります。
 
 今までの治療法は、
ドキソルビシン、カルボプラチン、ミトキサントロン、
メトロミノミック、チロシンキナーゼ阻害薬など
当院でも、いろいろと行いました。

 現在、猫の乳ガンに、チロシンキナーゼ阻害薬を投薬し
CTでの肺転移が認めている子には効果があり、
1年以上、肺転移が抑制されています。
副作用もなく、頑張っています。

 過去の論文からは
リンパ節転移を行うと、予後が悪いと記載されています。
可能限り、猫に負担をかけず長らく生きていただける
方法があれば、取り入れていきたいと思います。


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