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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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脾臓の血管肉腫の外科手術と化学療法
 7歳以上の犬が急に元気なくなった、
動かなくなったと来院されることが多くあります。
 他の症状は、食欲がない以外
嘔吐や下痢などはありません。

 このような場合、脾臓の血管肉腫であることがあります。
脾臓の血管肉腫は大型犬、特にゴールデンレトリバー
バーニーズなどに多いイメージがありましたが
現在は、小型犬でも多く認められます。

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 脾臓の血管肉腫の治療法としては
外科手術により、出血を止めること、
その後の化学療法が一般的です。

 外科手術は、事前の検査が重要です。
血液検査では、貧血と凝固系の検査が重要になります。

 貧血はPCV <20% Hgb <5-7g/dlの場合、輸血が必要になることがあります。
血小板が低下している場合には、DICも発症していることがあるため
血漿輸血や低分子ヘパリンなどの治療も行います。

 血管肉腫は転移の多い疾患のため
事前に、心臓や肝臓への転移を確認する必要もあります。
 このようなことが解決できていれば
手術は容易におこなえます。
 
 外科手術は視野の確保のため、
正中切開を行い、脾臓の血管を止血しながら、
腫瘍の被膜を保護し、切除します。
多くの場合、癒着があるので、他の臓器を傷つけないように
切除します。

 術後2日間は、心室性不整脈が起こることがあるのため
経過を確認し、状態が良ければ退院となります。

 術後は、化学療法を行うことが多く、
現在、ドキソルビシンを使った治療法が有用です。
ドキソルビシンを使った治療法と、ドキソルビシンを使わなかった治療法と
比較すると、ドキソルビシンを使った治療法より効果のある治療法は
確認されていません。
 最近では、メトロノミック療法(低容量シクロホスファミド)も
ドキソルビシンを使った治療法と変わらず効果があると報告されています。

 サリドマイドによる治療法も報告されています。
サリドマイドの投薬により生存期間中央値が172日(95% 信頼区間93−250日)
サリドマイドの投薬を受けた犬の33%が手術後1年以上(458−660日)
生存したと報告されています。

 血管肉腫は予後が悪いと言われ
術後、補助療法を行っていない症例も見受けられます。
最近では、抗がん剤も入院せずに自宅での内服も
可能になりました。

 術後の補助療法には、様々な治療法があるため
担当獣医師と効果、副作用、費用などを相談の上
今後の方針をお決めください。

 

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