新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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猫の腎不全と間違われた尿管結石症(治療法)
 猫の腎不全は、中高齢に多いことは知られています。
若齢でも腎不全に罹患している子もいることが知られています。
 1〜2歳で血液検査にてBUN,CREAが高いと指摘されることが
あります。
 この子は、他院にて血液検査をしていただき、
BUN,CREAの上昇が認められ、心配で来院されました。
検査結果を見ると、明らかに腎臓の数値が上昇しており、
腎不全を疑う初見でした。
飼い主様と相談し、再度、血液検査、尿検査、画像診断を
させていただきました。
検査の結果は、血液検査は他院と同じ結果で問題がありました。
尿検査は、尿タンパクは1+、
尿潜血 1+、ph 7.5 尿タンパク:クレアチニン比 1+ 
画像診断は、レントゲン、超音波検査を実施させていただきました。
レントゲンは、異常を認めず、超音波検査では、腎盂の拡張と
左尿管の拡張を伴う、結石を認めました。
 総合的に尿管結石による、尿の排尿が難しくなった
腎後性腎不全と診断しました。
この場合、尿管結石を除去できれば、腎不全は急性腎不全となり
完治が可能です。
 治療は、飼主様に承諾を得て、尿路造影を行い、
尿管結石を確認しました。
幸せなことに、尿管結石は完全閉塞ではなく、
部分閉塞でした。

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 尿管結石の治療には、内科療法と外科療法があります。
内科療法:輸液療法
       利尿薬
       鎮痛剤
       尿管拡張作用薬
       治癒率は8-13%
外科療法:尿管切開
       尿管膀胱吻合術 
       再閉塞率 40%(Kyless et.al 2004)
       尿管ステント術
皮下バイパス(SUBシステム)

今回、腎不全が軽度であったこと、
尿管結石による尿管の閉塞が軽度であったことなどから
飼主様と相談し、入院、点滴を行い、尿管拡張作用薬、鎮痛剤を
併用し、2日後には、膀胱の中に結石が落ちていました。
その後、徐々に腎数値は低下し、正常値に戻りました。
3日後には、無事、退院となりました。

 腎臓の中には、まだ結石が残っているので
食事療法とサプリメントを併用し、経過を見ていますが、
今の所、尿管に結石が詰まることもなく、腎数値も正常のまま
維持できています。
 
 このように、若齢の腎数値の上昇を認めた場合、
可能な限り、尿検査、画像検査を行ってください。
 
 現在、尿管結石の治療は、
1、尿管切開+尿管膀胱吻合術
2、不完全閉塞では、輸液を中心とした膀胱への移動
3、狭窄症例はステント
が選択されています。

 猫の状態、飼主様の意向、などを踏まえ
治療法を選択されることをお勧めします。

 腎不全は、しっかりと診断を行い
治療を間違わなければ、長生きできますので、
ご安心ください。

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