新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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大きくなりすぎて自潰した犬の乳がんの外科手術
 犬の乳がんは、日々の診察で出くわす腫瘍の一つです。
現在、動物医療での最新情報とともに、今回の症例の概要を記載いたします。

 この子は、良性の乳腺腫瘍と思い、経過を見ていたら
大きなりすぎて、腫瘍の一部が自潰し化膿し来院されました。

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 腫瘍は、乳腺から発生しており、かなりの時間が経過していました。
飼主さまも、化膿した匂いと、出血のため、手術を希望され来院されました。
 手術前に、肺の転移像の確認、血液検査、リンパ節への転移などを調べ
大きな問題がないため早々に手術となりました。

 P1060421_convert_20170228100840.jpg


 手術は、短時間で終了し、マージンを含め切除しました。
腫瘍は、筋肉に一部癒着していましたが、きれいに切除できました。

 P1060423_convert_20170228100914.jpg

手術時間は、約40分で終了しました。
入院も半日で終わり、夕方には元気に帰宅されました。
術後は、鎮痛剤、抗生剤の投与を行い、
10日後に抜糸を行いました。
 病理の結果は、
悪性である、乳腺ガンでした。
脈管侵襲などが認められないことから、
抗がん剤や、放射線療法は行いませんでした。

 犬の乳腺腫瘍の最近の知見

検査:細胞診では、悪性良性の判定は、難しい
    悪性所見は、悪性と診断
    良性は、必ず良性とは限らない

ステージ分類:Ⅰ、T<3cm
         Ⅱ、T3-5cm
         Ⅲ、T>5cm
         Ⅳ、N1
         Ⅴ、M1
Stageと予後:ステージⅡとⅢには大きな差はない
         転移症例は予後不良

治療:外科手術が第一選択
    多くの乳腺組織を摘出することに直接の延命効果なし
    同時に卵巣子宮を切除することに抗腫瘍効果はなし
    腫瘍摘出時に卵巣子宮摘出はG2において、予後改善効果がある
    腫瘍摘出時に卵巣子宮摘出はG3において、予後改善効果はほとんどなし

 上記は、日本麻酔外科学会の見解で、
2016の論文では、異なる見解も出されていますので
担当獣医師と相談の上、手術法、卵巣子宮摘出も行うか
話し合ってください。
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