この子は、17歳の高齢で、以前から腎臓病で来院されていました。
飼主様が、何気なくお腹を触るとしこりに気づき
来院されました。

手術前の検査では、腎数値がかなり高い値で
BUN 55 CREA 4,0 IP 5.2 ALB 2,2 Ca 14.6 と
腎臓疾患 ステージⅢ
治療は、血管拡張剤とリン吸着剤、食事療法を行っていました。
飼主様には場所的に乳腺腫瘍と仮診断し
病理検査を勧めるとともに、治療法を提示しました。
飼主さまは、以前に乳がんの手術を経験しており
外科的な治療法を望まれました。
手術の前に、血液検査、胸部レントゲン、超音波検査を行い
麻酔に対しての安全性を確認しました。
術前検査は、腎臓病と、上皮小体の問題はあるものの
1時間の手術は問題ないと決断しました。
手術は、朝から入院点滴を行い
さらに、酸素化も行いました。
麻酔後、毛を刈ると、乳腺の血管に沿って
腫瘍がかなり大きくなっていました。

手術は、血圧に気をつけながら
通常の麻酔ガスのイソフルランではなく、
セボフルランを使用し、さらに、血管からも鎮痛剤と
麻酔薬を併用し、無事、40分で手術は終わりました。

術後は、点滴を行いながら
血圧のチェックをして、痛みの管理を行い、
念のため、翌日の朝に帰宅されました。
退院時は、家族総出でお迎えに来られました。
猫の乳腺腫瘍は、高齢に多く発生し
悪性度が高いことが報告されています。
乳腺腫瘍例の90%〜30%と幅がありますが
高率に悪性である乳がんの可能性があります。
猫のお腹にしこりを見つけた場合、
早期に、獣医師に診察をしていただき、
検査、治療法を確認してください。
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