ワクチン反応性肉腫もしくはワクチン関連性肉腫が発生すると
言われています。
この子はお尻に、しこりがあり来院されました。
念のため、超音波ガイド下で、病理検査を行い
結果は、肉腫と診断されました。
この部位に出来る腫瘍は
ワクチン関連性肉腫が多く、
ワクチンを接種した場所に腫瘍ができます。
飼主さまに、病理検査の結果をお伝えし
手術を行うか、行わず内科療法を選択するか相談させていただきました。
飼主さまは、助かる確立があるならと手術を希望されました。
手術の前に、CTでの精査を行い、
外科手術計画を立て、筋膜の2枚以上の切除、
骨の一部、切除も計画に入れ、手術を行いました。

手術は、念には念を入れ、3時間近くかかりました。

下記に、ワクチン関連性肉腫の概要を記載します。
・ワクチン関連肉腫を発症する平均年齢は約10歳。
・ワクチン誘発性肉腫の発生頻度は狂犬病あるいは
FeLVのワクチン接種10,000 頭あたり、約1〜2頭。
・アルミニウム含有ワクチンがより高い危険性をもたらすという証拠はない。
・全米獣医学会のネコワクチン関連肉腫対策委員会(VAFSTF)は、
腫瘍の側方および深部ともに最低2 cm のマージンの外科的切除を推奨している。
・外科的切除から放射線療法までの期間が延長するに伴い、
無腫瘍期間および生存期間が短縮するため、
放射線療法は術後10-14日から開始すべきとされています。
上記から、いかなるワクチンも肩甲骨の間に接種する事は
推奨されていません。
当院では、猫のワクチン接種場所は
全て、腰もしくは、後肢の皮下に接種しております。
7歳以降の猫ちゃんで、皮膚の下にイボがあるのに
気付いた場合は早々に、担当獣医師かスタッフにお知らせください。
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