新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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肛門周囲腺癌がリンパ節に転移し1年以上、元気に過ごしたMダックス
 肛門周囲腺癌は、10年くらい前
毎月、手術を行っていましたが、ここ最近は
去勢手術を行う方が増え、手術も症例も激減しています。
 
 この子は、うんちの出が悪いと来院されました。
レントゲンで、直腸の背側に腫瘍を認め、病理検査を行いました。
病理の結果は、腺癌のリンパ節転移でした。
 腺癌の原発は、雌犬には珍しい、肛門周囲に発生した
腫瘍でした。

 腸骨下リンパ節 縮小

 飼主さまと、協議しCTでの精密検査を行ったところ、
消化管のリンパ節に転移を起こしており、すでに手術では
取り除くことが出来ない状態でした。

 飼主さまには、肛門に出来た腫瘍は切除できますが、
ワンちゃんにとって、必要な手術で無いことをお伝えしました。
 しかし、このまま、経過を診ていても転移があるので
抗がん剤治療、放射線治療をお勧めしました。
 
 飼主さまは、麻酔のリスクを気にされてたことなどから
抗がん剤を選択されました。
でも、抗がん剤の副作用の話をさせていただくと
やはり、心配になられたのか、副作用の少ない治療をと
お願いされました。
 
 日本で発売される前から、使用していた
分子標的薬を使用することになりました。
 この薬は、日本での発売前に、オーストラリアで発売、
使用され、研究も進んでいました。

 このお薬の、問題点はお薬の値段が高く、
継続するには、飼主さんの負担も少ないことです。
 飼主さまに、1か月のお薬代をお伝えし
家で相談のうえ、決めていただくことになりました。
 翌日は、治療を開始したいと、連絡があり
すぐに治療を開始しました。
治療後、副作用もなく、初診から1年が経過しましたが
排便障害もなく、元気にしていました。
 
 このように、現在、がんの転移を認めても
緩和療法などが、いろいろあります。
 がんを手術したくない、痛いことは避けたいなど
飼主さまの想いは募ります。
 
 がんと闘うことが全てではありません。
がんと付き合うこともできます。
まずは、担当の獣医師とご相談ください。

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