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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
札幌小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   

 

 

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イヌの膀胱癌の転移に対し有効であったトセラニブ
 イヌに血尿が出る場合、多くが膀胱炎、膀胱結石と
診断されます。
 中には、膀胱の腫瘍ということもあります。
特に中高齢の場合、膀胱腫瘍も散見されます。
膀胱腫瘍には、良性と悪性があり、悪性の場合、
移行上皮癌(膀胱がん)となります。

 膀胱癌の治療は、外科手術、内科療法とあります。
本院では、膀胱癌の発生部位により外科手術を行うか、
内科療法を行うか、飼主さんと相談しています。

 今回、膀胱がんの手術後に転移を認め、
転移の抑制のために、分子標的治療薬である
『トセラニブ』を使用し、長期生存しているのでご紹介したいと思います。

 13歳のMダックスの女の子が血尿が続くということで
セカンドオピニオン希望で来院されました。

 治療に反応しては、再発するので、心配になったのだと思います。
本院で精密検査を行ったところ、膀胱の移行上皮癌でした。
 腫瘍は膀胱三角に発生し、排尿障害も起こっていました。
飼主さんと、内科療法か、外科療法を話合いました。
おしっこの出が悪くなると可愛そうなので、外科手術を選択されました。
 手術は膀胱摘出術と尿管膣吻合術を行いました。

 術後は、血尿も無く、食欲もあり元気に過ごしていましたが。
術後、3カ月後に肺への転移が認められ、分子標的治療を行いました。

 現在、1日おきに、トセラニブ(パラディア)の投薬を行っております。
今まで、肺転移を認めると1~3カ月には呼吸不全になることが
多くありましたが、この子は、進行も遅く順調に経過しています。

 パラディア 縮小

 左側のパラディア海外製で右側の箱に入っているのが
日本製です。錠剤は、大き目です。

 トセラニブは、まだ日本では正式に発売されていません(2014年7月現在)。
海外では、すでに発売されており、論文も出されています。
日本の獣医大学では治験がすでに行われており、
イマチニブよりスペクトルが広いことが、分かっています。
 
 トセラニブは人医療では発売されておらず、ジェネリックも無いことから
コストの高い薬となっています。
 1日おきの投薬でも飼主さんにとって、経済的負担は
大きいと思います。

 日本でも発売が開始されると
他の腫瘍で苦しんでいるイヌやネコに朗報になるかと思います。

 現在、本院でも肥満細胞腫、肺転移の症例に使用し、
良い結果が出ています。
大学病院では、転移症例、抗がん剤、放射線療法の効果が低い
症例に試験的にだしており、既存の治療では改善していない子にも
使っているようです。

 本院でも、コストの面が折り合えば
様々な症例に使用できると考えています。


 
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