考えることは、一般的です。
本院でも、年に数例、この腫瘍に罹患したワンちゃんが
来院されます。
説明は、この腫瘍はマージンが足りないと、再発を繰り返し、
断脚になることが多くあります大きく切り取らせてください。
再発を繰り返している間に、悪性に変化することがありますとも
説明をしています。
今回の症例は、老齢のワンちゃんの左前肢に発生した
血管外膜細胞腫でした。
飼主さんは、以前から腫瘍があり、徐々に大きくなっていることも
御存知で、「お年なので手術は・・・」とおっしゃり手術はしていませんでした。
それでも手術を行った理由は、腫瘍が大きくなりすぎて、
手が浮腫んで、歩けなくなったからでした。
手術前に、病理検査で診断を確定し、再発する腫瘍であること、
また悪性化することもあること、再発を防止するなら断脚も視野に入れて
飼主さんと御相談しました。
ご相談の結果、再発をすることは承知のうえ、
マージンを余り取らず、切り取ることになりました。
手術は、全身麻酔下で行いました。


このように肘の内側にかなり大きな腫瘍を認めました。
手術は、少しでもマージンを考えながら、切除しました。
手術は入り組んだ血管を止血しながら行いました。

手術時間は約2時間と皮膚の腫瘍にしては、かなり時間がかかりました。
原因は、切除に際、血管が豊富で止血に時間がかかること、
縫合に時間がかかりました。

腫瘍自体はこのように、かなり巨大でした。

血管外膜細胞腫は、マージンを十分にとらないと再発することが
知られていますが、本院では、再発しない症例も経験しています。
どの子が、再発し、再発しないかは不明です。
術前検査で診断を確定した際、その辺りも、飼主さんと御相談になります。
血管外膜細胞腫=断脚 とはなりません。
本院では血管外膜細胞腫を初初めての手術で断脚を選択することは
皆無です。
まずは、担当獣医師と御相談ください。
老犬の脚に発生した皮膚腫瘍の場合は、この腫瘍を考えてから
手術の方法も決定したほうが良いかも知れません。
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