新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の胃に発生した多発性ポリープの外科手術
 人でもポリープができ、手術を受けられるということは
聞いたことがあると思います。

 犬や猫にもポリープが出来ます。
今回は慢性の嘔吐を主訴に来院した13歳の雑種のワンちゃんの
外科手術による治療です。

 ポリープとは何のことでしょうか。
ポリープとは、臓器の表面の一部が盛り上がったものを、ポリープといいます。
臓器の表面は粘膜という膜でおおわれています。
そこから、イボのように隆起しているものを総称していいます。

ポリープは、ほとんどは良性のものですが、
サイズが大きいものや、形や広がり方に異常があるものは、
組織検査をして、良性か悪性かを判定します。

 犬の場合、ポリープは様々な部位に発生します。
特に、胃、膀胱、大腸に多くできます。
そのほとんどが、良性のポリープでああるといわれています。
 本院でも、大腸および胃のポリープは多く来院されます。

 この子は、昨年から嘔吐を繰り返し、心配になり
紹介で来院された13歳の雑種のワンちゃんです。

 とても元気で食べたいけど、嘔吐する、また痩せてきたと
来院されました。
今までは、ステロイドを飲ませていたらしく、肝数値も上昇していました。
血液検査、レントゲンを行いましたが、薬の副作用があることと、
経度、甲状腺のホルモン値が低下していました。
レントゲンでも大きな異常は認めれませんでした。

 飼主さんと相談し、胃酸抑制剤、消化機能改善薬で
経過を診ることとなりました。
嘔吐の回数は減ったものの、体重は減って来たので、
超音波検査、バリウム検査を行いました。
 結果、胃の出口にあたる、幽門部の重度の閉塞と
通過障害が見つかりました。

 飼主さんの家族全員とお話を行い、
手術を行うか、もしくは、内視鏡での検査を行うか相談しました。
年齢も13歳であることなどから、負担の少ない治療法をと
考えていましたが、飼主さんは開腹し、治せるものは治してほしいと
おっしゃったので、飼主さん立ち会いで手術となりました。

 常法通り、開腹し、幽門部から12指腸を確認し
肝臓、脾臓、小腸も確認しました。
 こちらが、術中の写真です。

ポリープ

幽門部を切開すると、このようにポリープが
びっしりとカリフラワー状に出来ていました。

手術は、ポリープを切除し、
胃と幽門部をY字に切開し、Uの字に縫合します。
この手術により、幽門の内腔が拡大し、食物の
排出が可能になります。

 縫合後の胃と幽門です。

 Y-U形成

 手術後、24時間は絶食し、2日後には無事、退院となりました。
術後の造影検査でも通過障害は改善しておりました。

 現在は、流動食を与えています。

 飼主さんも、手術に立ち会い、安心されていました。
退院後から食欲もあり、元気で、うれしいとおっしゃっていました。
 

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