新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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筋膜に癒着したハムスターの腫瘍手術
 腫瘍の発症は、犬の死亡原因の上位に入るくらい
年々、多くなっています。
 
 それは、犬に限ったことではなく、猫にもハムスターのような
小さな動物も同様です。

 ハムスターの場合、麻酔のリスク、寿命、術前検査などの問題から
手術にまで、行えないことが多いと言われています。
 しかし、手術を希望される方も多くなっているのも事実です。

 本院では、可能な限り、手術をお受けしようとしています。
手術をお受けする前には、上記のリスクの問題などをしっかりと
話合い、飼主さんの理解を求めています。

 この子も、手術前に、飼主さんとしっかりと話し合い、
手術を希望されたので、手術中は病院にいていただき、手術となりました。
手術前はこのように、皮膚が盛り上がったように見えています。

ハムスター腫瘍 術前

犬、猫、ウサギ、フェレットなどと違い、術前検査ができないので、
手術は、吸入麻酔を利用し、全身麻酔をおこないました。
 ハムスターは体温がすぐに下がるので、アルコールを利用した
消毒ができないので、アルコールの入っていない消毒液を術部を消毒し
手術をおこないます。

 手術は30分で終了しました。

 ハムスター 術後 1

 この子は、術前では筋肉に癒着していませんでした、
手術中に筋肉に癒着をしていたので、腹膜と筋肉を切除しました。
これにより、手術中にお腹の中も見えるようになり、
手術中にお腹も一緒に閉じました。

 取った腫瘍は、このようなもので、ホルマリンに入れて保存しています。

 ハムスター 病理

 手術後は、すぐに飼主さんに会っていただき、2~3時間
病院で経過をみてからお迎えに来ていただきました。

 基本的に皮膚の抜糸は行わないで良いようにしています。

 切り取った腫瘍は、飼主さんと相談し、病理検査に出すか、
もしくは、検査に出さないか決めています。
 病院としては、取ったものがどういったものか、
また、悪性なのか、良性なのか診断しておくと予後がわかるため
重要な検査となります。
 しかし、本院ではこの検査も、飼主さんと相談して行っているため、
飼主さんの希望を聞いています。

 この子は、術後、1週間後に来院された時には
縫合糸もなくなり、手術後もきれいになっていました。
 ハムスターを含め、エキゾチックの手術は、麻酔管理、
術前検査など、飼主さんと相談し、乗り越えないといけないことが
多くあります。
 
 今回も、手術前に、飼主さんとゆっくりと話し合いを行い
術中、術後のことを理解していただき、手術を行えました。

 同じような症例でも、同じ手術とはならないので
しっかりと獣医師と相談し、疑問を残さず手術を受けていただきたいと
感じました。

 今は、元気にしています。
飼主さんも、この子は、苦労した子なので、
楽にさせてあげたいとお話をされ、手術も成功され
よろこばれていました。
 
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