犬よりも発生率は多くありませんが、来院されます。
チェリーアイとは、第3眼瞼腺突出といいます。
猫のチェリーアイの原因は、結膜炎やブドウ膜炎などの炎症により
脂肪によって押し出されることが多いと言われています。
この子のように、2次的に自分で顔を床などに擦り付けて
炎症と過形成が起こる場合もあります。

この疾患の治療法は
1.放置しておく(犬の場合、結膜炎くらいで本人が気にしないことことが多い)
2.腺の切除
3.腺の整復(ポケット法などを行い整復する)
があると眼科の教科書に書いてあります。
この子の場合、軟骨の変性が認められたので、瞬膜の軟骨切除と
一部、腺の切除を行いました。
チェリーアイの治療には、上記の3つがあり、
本院では犬の場合、初診において点眼と整復を行っています。
1.の放置はほとんどの場合、飼主さんが望まないですが、
たまに、経過を診るという飼主さんもいらっしゃいます。
現に、3年間、そのままにしている飼主さんもいらっしゃいます。
瞬膜が飛び出した状態でも、犬自身も気にしていないらしく、
診察するたびに、飼主さんに整復は?と聞いてみますが、
飼主さんは当人が気にならないこと、また弊害もないということで
経過をみて、3年になっています。
手術自体は、簡単な手術なので、10分くらいで終わります。
術後は眼を擦らないようにカラーを付けて点眼液で経過をみます。
1週間後には、カラーもなくなり、点眼も行わないで良い状態になります。

この子は、術前検査の血液検査、レントゲン検査、心電図に問題が
認められなかったので、全身麻酔を行い、夕方には帰宅されました。
4年前にも反対の目がチェリーアイになり
手術を受けているので、飼主さんもすぐに手術を希望され
今では、反対の眼もきれいになっています。
このように、チェリーアイという病気は、猫では
気になり、擦り付けますが、犬の場合、ほとんど、気にしません。
また、すぐに来院されると手術ではなく、点眼麻酔と整復だけで
治ることも多くあります。
あれ?チェリーアイかと感じたら、手術ではなく、
点眼、整復で治ることもあるので、すぐに来院してくださいね。
スポンサーサイト