人では、皮膚に黒い斑点が出ると皮膚ガンといわれる腫瘍と同じです。
この腫瘍は、発生部位により、悪性度が異なります。
とくに、爪や爪の周囲でできる腫瘍は転移も早いといわれています。
この子は、お年をめしたゴールデンで、以前から腫瘍があり、
術前検査で、肺に転移が認められた口腔内メラノーマです。
飼主さんには、すでに肺にガンが転移し、残りの人生がそう長くないことを
お伝えしていました。
飼主さんも、お年なので、切り取る手術や、麻酔をかけての手術、
さらに抗癌剤治療を望まれていませんでした。
しかし、腫瘍が大きくなり、食事中も出血するようなり、飼主さんも
このままにしておけないと再度、来院されました。
そのときの写真がこちらになります。

このように、直径4cm大の腫瘍が認められます。
病理検査で、悪性メラノーマと診断されており、今後のことを考えると、
大きく切り取ったほうが良いのですが、なるべく、負担をかけずにと
飼主さんからの要望があり、出血をさせずに切り取れる半導体レーザーを使用し
切り取りました。
術後の同じ部位の写真です。

レーザーで腫瘍を止血しながら切り取り、
このように、犬歯が見えるくらいまで小さくなりました。
現在、腫瘍を持った犬・猫・フェレット・ハムスターが来院されています。
今までのように、すべての症例が、手術をし、切り取ること以外にも
放射線療法、化学療法、減量術、光線力学的療法などが選べる時代になりました。
どの腫瘍に、効果があり、効果がないのか、
それは、腫瘍の特性によりますが、可能な限り、飼主さんに治療の幅をもち
説明、治療をさせていただくように心がけています。
この子の飼主さんも、痛くないよう、入院が半日で、
さらに、費用も多くならないようにということから、
半導体レーザーでの治療になりました。
現在は、出血も無く、痛みもなく、元気にご飯を食べれるようなっています。
お話ができない動物なので、ペットのことを一番理解している飼主さんと、
説明、理解、納得をいただき、治療を薦めています。
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