新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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超小型犬の創外固定治療
 生後、6ヶ月のポメラニアンが急患で来院されました。
症状は、左前肢を痛がり、着かないということでした。

 診察すると、左前肢を挙げて3本足で歩いています。
また、痛がる足は腫れています。
骨折を疑い、レントゲンを撮影しました。
 
 その際の写真が、この写真です。

 骨折 術前検査

 前足の腕の部分が折れています。
この部位は、小型犬に多く見られる骨折です。
 治療は、手術が基本といわれており、ギブスなどの外固定では
治らない場合が多いように思えます。
ギブスなどの外固定で治らないと、転院されて来られる場合もあります。

 飼主さんと、手術の方法、金額、メリット、デメリットをお話し、
創外固定と手術法を選択されました。
 創外固定は、ここ数年、このような小型犬に多く行われるようになった手術です。
超小型犬は、ヨーキー、プードル、ポメラニアン、チワワと体重が1~3kgのワンちゃんです。
この子も2kgと小さく、飼主さんはかなり心配されていました。

 今までの手術は、ピン、プレートなどがありましたが、
ピンも、プレートも良い部分も多い反面、術後の固定力、また、
再発に問題が多いのも、実情でした。
 ピン固定は、安定力では、かなりの不安が残りますが、
手術代金が安いのも実情です。
 プレートは、固定力が強いことは良いのですが、プレートを外すために、
再手術が必要になります。
 上記の手術の良いところを入れて、さらに、マイナスであった部分を
少なくするのが、創外固定です。

 こちらは、術中写真です。
骨折部位を境に、合計6本の創外固定用のピンを入れています。

 骨折 術中1

 6本のピンを骨の真ん中に挿入し、そのピンをSKクランプで固定します。
このSKクランプは、かなり強力に固定できます。
 皮膚を縫合した状態です。

 骨折術中2

 創外固定は、約1~2ヶ月で骨折は治療し、その後、鎮静下で
ピンを抜くだけなので、プレートのように、皮膚を切ることもありません。

 本院では、現在、すべての手術法を選択できるようにしています。
手術代金、手術時間、治癒期間、その子の運動量などをお聞きし、
最終的に飼主さんと、ワンちゃんに適応した手術法を選んでいただきています。

 今後、この手術法が、前足の骨折、とくに、小型犬の手術法として
確立されていくと思われます。

 この子は、夜に手術を行い、翌日の夕方には退院となりました。
飼主さんも、かなり早い退院だったので、心配されていましたが、
自宅に帰宅してから、食欲も元気もあり、安心されたようでした。

 飼主さんは、手術という、痛い思いは1回のみで、また、再手術なども
かわいそうということで、創外固定を選ばれていました。
術後は、約3~7日後には折れた足を着く子が多いので、
元気すぎて、肢を着くことをを心配されていました。

 退院後のワンちゃんは、とても元気にしており、
痛み止めも必要ないと言われるくらいに改善していました。

 入院、手術から退院まで24時間も無く、ワンちゃんにとってもストレスも無く
痛みも少なく、帰宅され安心しました。

 ソファーからのジャンプは、ほどほどにしてくださいね。
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