今までの動物医療では、そのような神経症状の診断を付けることは容易ではありませんでした。
しかし、ここ数年、画像診断が進歩し、格段に診断、治療まで行える状況になっています。
この子も、その恩恵にあずかり、よくなった1例です。
12歳のゴールデンレトリバー、以前から皮膚に腫瘍が出来ては手術を行い、
病院にはよく来院されていた子です。
今回は、発作のような症状が続き来院されました。
ラブラドール、ゴールデンは脳疾患が多く、特に高齢でのテンカンや発作、神経症状は
脳の腫瘍なども多く見られるようになっています。
以前は、犬猫の脳腫瘍は治らない病気とされてきました、
しかし、ここ数年、動物の脳神経外科は進歩し、手術もかなり行われています。
この子も、MRIを行い、脳腫瘍と診断され、開頭手術を受けました。
術後、2ヵ月後の様子です。
このように、術後はきれいに顔も戻り、元気にしています。
現在は、抗がん剤を併用し、まだまだ元気に過ごしています。
脳腫瘍を、見つけるためには、MRIなどの検査が必要になります。
MRIは約7万くらい、かかる検査なので、おいそれと行けないと思いますが、
可能であれば、早期発見、早期治療が望ましいので、神経学的検査を行い、
身体検査、血液検査、レントゲンなどで、脳以外の病気を除外してから
検査をするほうが良いでしょうね。
MRI検査は約1~2時間かかることもあるので、事前の検査は重要になります。
本院では、月に何例もCT,MRI検査を行っていただくので、
事前の検査がとても重要です。
CT,MRIは犬猫に大きな影響を及ぼさないのですが、
麻酔をかけないと、検査が出来ないので、麻酔に耐えれるかの検査が必要不可欠です。
脳腫瘍、鼻腔内腫瘍の症例が増加しています。
犬猫も人と変わらない医療に入って来たのかもしれません。
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