他の動物だと、スカンクが臭い匂いを出して身を守ることはご存じだと思います。
その臭い物質を貯めて置くところが肛門腺(anal glands)です。
この肛門腺は排便時に、うんちと一緒、もしくは、うんちの後に排泄されるので
飼主さんが気付くことは無いかも知れませんが、トリミングなどで出してもらっていることが多いです。
この子は、急に、お尻を気にしだし、舐めてひどい炎症になっていました。
飼主さんに、肛門腺の出し方(絞り方)をお伝えし、自宅での治療を勧めました。
飼主さんは器用な方だったので、なんとか絞れていましたが、
絞るたびに痛がり、炎症を起こすので、ジレンマになられていました。
そこで、今回の手術になりました。

肛門腺自体は、ワンちゃんが生きていく上で重要な臓器ではないので
不妊手術、スケーリング、肛門腺切除術を一緒にすることとなりました。
しかし、この子は、以前からテンカン発作を持っており、大学での精密検査時にも
麻酔後に発作が起こり大変だったので、飼主さんは、麻酔に関してかなり気にされていました。
飼主さんと何度も、話し合い、麻酔のリスク、後遺症なども話し合い、
手術に立ち会い、万全の麻酔を考慮し、麻酔・手術になりました。
手術は無事に終了し、麻酔も飼主さんが気にされていたような問題も全くなく、
1時間で手術は終了し、麻酔も、手術後、10分で覚醒し、その日に帰宅されました。

以前は肛門腺の切除は多く行っていましたが、
最近は、肛門腺を絞るのみの方が増えました。
なぜ、手術まで知る必要がなくなったのか不明ですが、
必要のない手術は減るほうが良いですね。
この子も、麻酔に関してかなり心配され、不安に思割れていた飼主さんだったので
手術当日も一緒にいていただき、日帰りとなりました。
今後は、肛門腺自体が無くなったので、肛門腺が貯まることもなくなります。
もちろん、肛門腺絞りも必要なくなりました。
術後はお尻の手術なので痛そうにしていましたが、
鎮痛剤の併用で、抜糸も無事に終了し、現在はお尻を気にせず生活されています。
人でもおしりの病気は苦しいと聞きますので、
ワンちゃんはもっと辛いのかも知れませんね。
無事に、麻酔も手術も終わり、良かったですね。
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