と飼主さんに聞かれることが少なくありません。
本院ではワンちゃん、ネコちゃんに輸血を行っています。
また血液型もあります。
輸血は、人と同じように行っています。
血液型もありますが、人のようなABO式ではありません。
犬ではDEA1.1 +、−で判断します。
猫ではA.B.ABのどれかで判断します。
なので、人のABO式の性格判断は使えません。残念です。
輸血に関しては、年々、需要が増えてきています。
犬猫の長寿化、腫瘍外科の増加、血液疾患の増加などが要因です。
今まで、輸血が犬猫にあることさえ知らない方が多くいらっしゃいましたが、
現在は、動物の輸血も認知させつつあります。
では、輸血はどのようにするのでしょう。
一番重要なのはドナー(供血動物)、血液を与える動物です。
下記がガイドラインとなっています。
○犬: 体重 25kg以上
年齢 2〜8歳
PCV(赤血球の濃度) 40%以上
ワクチン接種を受けていること
健康であること
○猫: 体重 5〜7kgの間
年齢 2〜8歳
PCV 35%以上
ワクチン接種を受けていること
上記以外にも詳細はありますが、上記に当てはまると良いとされています。
実際に輸血を受け、腫瘍の切除を行った症例です。
この子は、捨てられて、本院の患者さんが拾われた推定15歳のワンちゃんです。
拾われた際から、食欲・元気がなく、心配されて来院されました。
初めて会った時から、痩せこけて見るからに弱弱しく、飼主さんが心配になることも
理解できる状態でした。
飼主さんから健康診断をお願いされ、さっそく、健康診断を行いました。
健康診断の結果、重度の貧血、心臓病、腎臓病、腫瘍とさまざまな疾患が見つかりました。
結果を飼主さんにお伝えし、今後の方針を決めました。
飼主さんは、やはり目に見える大きな腫瘍が気になるようで、手術を希望されましたが、
現状、大きな腫瘍はあるもの、生きていくうえで重要な臓器の治療を優先させていただきました。
心臓:弁膜症
腎臓:慢性腎不全
貧血:再生不良性貧血(慢性化・腎臓疾患から来るもの)
上記の治療を内科療法で行いました。
腎臓、心臓はなんとか改善しましたが、貧血は重症で中々、改善されませんでした。
そうこうしているうちに、腫瘍が徐々に大きくなり腫瘍の一部が自潰してきました。
飼主さんと相談し、輸血を行い、そのうえで手術を行うことになりました。
飼主さんも手術に立ち会うことになりました。

このように尻尾の下から肛門、外陰部を巻き込んで大きな腫瘍があります。
また、急激に大きくなってきたのか、腫瘍の表面が自潰しています。
これを見ると、飼主さんもつらくなってきますね。
手術は、輸血、心臓の薬、止血剤などの薬を使用し、飼主さん立会いの下、
すぐに手術をはじめました。
手術は、止血を行いながら腫瘍を切除しました。

術後は、順調に麻酔から覚めて、飼主さんも喜ばれていました。
取った腫瘍は、『血管外膜細胞腫』というものでした。

術後は、順調に回復し、翌日には退院となりました。
現在は貧血も徐々に改善し、心臓、腎臓の治療も行っております。
このように、輸血を行うことにより、
手術を受けられ、助かる命も少なくありません。
しかし、現状、人のような赤十字センターのようなものはなく、
飼主さんの知人、友人などに頼ることになっています。
今までは、動物病院で輸血用の犬を飼育しているところもありましたが、
現在、動物愛護の問題もあり、輸血目的もしくは、それを理由に飼育することは
大学でさえ、難しくなっています。
本院では、輸血に協力してくださるボランティアの患者さんに
お願いしていますが、ボランティアの患者さんよりも、輸血希望の患者さんが
多いのが現状です。
人でも、輸血となると大変なのに、ワンちゃん、ネコちゃんでは、
飼主さんも、とうの本人たちも辛いので、なかなか難しい問題です。
これから、もっと多くの輸血で助かる子たちが増えてくると思われます。
その際、なんと手助けをしてもらえるような方が増えていくことをお願っています。
この方も、近所の方が快く、輸血に承諾していただき、
飼主さんも、すぐにドナーが見つかり喜んでいらっしゃいました。
もちろん、供血していただいた患者さんには、血液検査、点滴などの
お金もかからず、説明もさせていただいた上での供血でしたので、
採血が終了した後も安心されて帰宅されました。
手術を無事、終え、飼主さんは近所の方に本当に感謝していらっしゃいました。
この子は、捨て犬だったので、地域の方が総出で助けようとした幸せなワンちゃんだと思います。
早く元気になって、みんなに感謝の姿を見せれるよう、現在、頑張っています。
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