新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の血管外膜細胞腫の外科手術
 16歳の盲導犬をしていたワンちゃんが来院されました。
長い間、目の不自由なかたのために働いてきたワンちゃんです。
飼主さんも、それに応えるかのうような、良い関係の2人?です。

 来院の目的は、お腹の左側の皮膚の下にしこりがあるということでした。
すぐに、触診を行いました。
確かに、何かあります。でも、しこりというよりは、ポニョポニョした塊です。
いわゆる、塊、しこりというのではなく、豆腐のような感じです。
16歳という年齢もあり、すぐに外科手術ということにはならず、
抗生剤、抗炎症剤で1週間様子を見ました。
1週間後にはかなり小さくなりましたが、やはり、ポニョポニョしています。

 そこで、飼主さんと相談し、16歳とはいえ、まだまだ長生きすることを考えると
腫瘍を放置することはできないということになり、外科手術に前向きに取り組みました。
 一番の問題点はやはり、年齢です。
大型犬の16歳となると、寿命と考える方も少なくないでしょう。
本院では、もちろん、年齢も重要な麻酔のリスクファクターですが、
それよりも、心臓、内臓に問題ないか、転移はしていなかなどが重要です。
 飼主さんに、手術を行う前にしっかりとした、検査を要望しました。
飼主さんもその辺りは納得され、検査を行いました。
 結果は、すべて問題なしということで、手術となりました。

外膜細胞腫 オペ前.

このように写真でみる、どこに腫瘍があるのか分からないです。

血管外膜細胞腫 オペ中

 皮膚を切開すると、このように、筋肉に付着し、さらに、筋層の間にも入り込んでいます。
筋層に入り込んだ腫瘍を筋肉ごと切除し、さらに、皮膚も切除します。
 この血管外膜細胞腫の大変なところは、取り残すと再発を繰り返し、
転移することあることです。
 現在、病理学的には悪性とも良性ともつかない腫瘍と言われていますが、
転移することを考えると、『転移しにくい悪性』と考えています。
 外科的に切除するか、放射線療法、抗がん剤療法があります。
本人では、マージンに余裕を持って切除できる場合は、外科切除のみ。
マージンが取れない、もしくは、深い場合は、放射線療法で小さくしておき
外科的に完全切除を行います。
 この腫瘍は、どこにでもできるので、1回目の手術で完全切除できるかどうかを
見極める必要があります。
 完全切除できない場合は、放射線療法を併用します。
しかし、現在、放射線療法は酪農学園大学と釧路の病院くらいしかありません。
なので、計画的な切除が必要になります。

 手術は無事終了し、当日に退院となりました。
飼主さんも16歳と高齢であることから、かなり心配されていましたが、
歩いて退院できたので、安心されていました。

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