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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
札幌小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   

 

 

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乳がんの骨転移に伴う足の痛みに効果のある治療法
 乳がんは中高齢の犬に発症する疾患です。
早期に手術を行えば、完治することが多い悪性腫瘍です。
 この子は、13Kgの雑種犬で乳がんを患っており、
すでに肺に転移しています。

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肺転移に関しては、分子標的薬で進行を抑えています。
 前足を挙げて痛そうにしていると来院されました。
触診でも、痛がり、院内でも足をかばっていました。
レントゲンを撮らせていただき、肘関節の骨に骨吸収像を
確認しました。

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いわゆるパンチアウト所見です。
骨が腫瘍の転移により、溶けてくる状態です。
骨が溶けるので、かなり痛く、歩けないのも理解できます。
 飼い主様には、レントゲン画像を見ていただき
治療法をご説明させていただきました。

 現状、悪性腫瘍の骨への転移の場合、治療には
1、外科的に切除
2、放射線治療
3、骨吸収抑制剤
があります。
 飼い主様と協議の上、3、の骨吸収抑制剤である
ビスホスフォネート製剤(BP製剤)を使用することとなりました
BP製剤は、犬にとって、副作用も少なく、3週に1回の投与です。
最近では、ジェネリック品も販売されたので、以前より
治療費が安くすむようになりました。

 この子も、来院時は足をあげて、家でも寝てる時間が多くなっていました。
PB製剤は効果も早く、翌日から痛みが改善し、元気に動くようになったと
飼い主様も喜ばれていました。

 肺転移の方も、現在、内服薬により、進行が止まっています。
この子に、手術、放射線、化学療法は苦痛などの副作用が起こる治療は避けながら
残りの人生を少しでも楽にしてあげればと思っています。

 現在は、3週に1回の点滴で調子も良さそうです。
飼い主様の希望に添えた治療ができているので、飼い主様も
不安が減ったようです。

 乳がんがすでに転移している場合、
化学療法による治療は、犬にとっても大変です。
放射線療法は大学病院に行かないと行えません。
 
 乳がんの患者様に
分子標的薬
ミクロノミック療法
PB製剤などを組み合わせ、緩和治療に取り組んでいます。
転移して苦しんでいるのを見たく無い、だけど
何とかしてあげたいという気持ちに寄り添うような治療を
一緒に考えさせていただきます。


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Fブルの陰嚢(金玉袋)にできた腫瘍(肥満細胞腫)
肥満細胞腫は、全身のあらゆる部分に発生します。
飼い主様が一番初めに」気づかれるのは、皮膚の肥満細胞腫です。

陰嚢(オスの玉袋)の皮膚に肥満細胞腫が発生することは有名です。
多くの飼い主様が、年のせいにしてしまいがちですが、
この子は、以前、肥満細胞腫のことをお話ししていたので、
心配で、皮膚の診察と一緒に来院されました。
 皮膚には、小さなしこりがあり、
皮膚病とは明らかに異なる状態でした。
飼い主様に同意を得て、組織検査を行いました。
病理の結果は、肥満細胞腫(グレード2、中等度悪性)でした。
 念の為、脾臓のエコー検査、血中ヒスタミン濃度を検査しました。
検査の結果、脾臓への転移像、ヒスタミン濃度は正常でした。
こちらが、陰嚢にできた肥満細胞腫です。

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 それが腫瘍なのか、わかりづらいと思います。
手術は、全身麻酔下にて、陰嚢全摘出術、去勢、スケーリングも同時に行いました。
手術は、すべて含めて30分で終了しました。
術後は、3時間後に退院となり、半日入院でした。
切除した腫瘍と陰嚢は、病理に提出しました。

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手術直後の縫合部は、このようになっています。
ちょっと、痛々しいですが、鎮痛剤と止血剤で
帰宅後には、食事も食べれるようになっていました。

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 陰嚢の肥満細胞腫は、中高齢のパグ、Fブルに多いので、
定期的に、皮膚の状態を見ておくことをお勧めします。
犬の陰嚢、包皮にできる腫瘍の多くが肥満細胞腫です。
肥満細胞腫は、初期でれば完全切除で完治が目指せる腫瘍です。
気になる場合は、早めの検査を心がけておくと良いでしょう。


栄養が取れないダックスの食道チューブフィーディング(食道栄養チューブ)の設置
 様々な問題で食事を取れない患者さんが来院されます。
顎の骨折、腫瘍、開口障害など多岐に渡ります。
この子は、食に興味がなく、低脂肪の食事を食べず
薬も与えることが難しいダックスです。
飼い主様は、なんとか元気になって欲しいので、
無理にでも食事を口に入れたり、薬を飲ますのですが、
犬は飼い主様の思いとは別で、嫌がって食事も口にしません。

 困り果てた飼い主様から、なんか良い方法はないのか?と
ご相談を受けました。
薬を嫌がる子には、薬を飲ます液体、おやつなども
販売されていますが、アレルギーなどのの問題で、
薬に混ぜることができない子がいます。

その場合、フィーディングチューブを設置します。
フィーディングチューブとは、強制的に口以外から
食道、胃に栄養、水分、薬などを入れるためのチューブです。
 
1、鼻チューブ
2、咽頭チューブ
3、食道チューブ
4、胃チューブ
5、経腸チューブ
などがあります。

 今回は、抜けにくく、食事も入れることが可能な
3、食道チューブを設置しました。
食道チューブの特徴は、食道内にチューブを設置することで
設置は簡単で、耐久性もあり、長期(数週間ー数ヶ月)維持が可能です。
鼻チューブ、咽頭チューブより太いサイズのチューブが入ります。
サイズ
鼻チューブ:5Fr
咽頭チューブ:5~8Fr
食道チューブ:14~16Fr
(数字が大きいほど、太くなります)
維持期間も長いので、安心して使用できます。

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 設置には、軽度の鎮静が必要ですが、
設置は、20分くらい終わります。
入院は多くの場合、必要はありません。
設置して、24時間はチューブからの栄養は与えないように
していますが、飲水などは可能です。

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 設置後は、テープと伸縮包帯で
犬の体に巻きつけておきます。
食道チューブの設置には、チューブが1週間以上、必要な場合
液体以外にも薬、缶詰をミキサーでゼリー状にすれば
投与可能なので、飼い主様の大変さもありません。

 見た目が、かわいそうなので
なかなか、処置まで行かないこともあります。
薬の投薬、食事を食べてくれないなどで
困った際は、フィーディングチューブの設置を
考えても良いのかもしれません。

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