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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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犬と猫の吐かすことのできない異物の治療法
 食べてはいけないものを飲んだ、食べたと
来院される方は多くいらっしゃいます。
 この子は、プラスチック製のおもちゃを嚙み砕き
食べてしまい。近くの病院に行かれましたが、
催吐処置は難しいと判断され、紹介で来院されました。

 レントゲンでは、胃の中と腸に異物がありました。
確かに、胃の中におもちゃのような陰影とガスが溜まっていました。

 飼い主様には、吐かせて出すことが難しいことをお伝えしました。
飼い主さまは心配されており、すぐに治療して欲しいということでした。
処置までの間に数回、嘔吐していましたが、やはり異物は出てきませんでした。
すぐに、麻酔の準備をし、内視鏡にて異物を取り除きました。
 異物は、複数個あり、胃、食道を傷つけないよう慎重に回収しました。

PA190770_convert_20181019185452.jpg

緑色のものが、異物のおもちゃのかけらです。
回収後、麻酔から覚醒し、退院となりました。

 異物を食べた時、治療法としては、
1、何もせず便と一緒に出てくるまで待つ
2、吐かせる(催吐剤を使用)
3、内視鏡で回収
4、手術で取り出す

 このような選択肢の中から、異物の大きさ、形状などから
治療法を決めています。
一番大切なのは、飼い主様の意向と不安を取り除くことです。
多くのが飼い主様が、「しまった」「私たちの責任」などと考えます。
 治療法がいくつかありますし、催吐薬にもいくつかあります。
担当獣医師とご相談の上、決めてください。
病院にいらしていただき、飼い主様もご安心してください。


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コーヒー豆の誤飲と毒性
 夜、緊急で見て欲しいと電話がありました。
内容は、コーヒー豆を包んだチョコを数個食べたというものでした。
数個なので、問題ないですと、お伝えしましたが、
心配なので、診て欲しいということでした。

 早速、来院していただき
催吐処置を施しました。
 処置後、程なく3回嘔吐しました。
内容物には、溶けたチョコレート、溶けていないコーヒー豆
合計16個でした。
飼い主さまは、5〜6個かな〜と。。。

 PA150768_convert_20181019185422.jpg
 
 黒いのがコーヒー豆でした。
この前にも、5粒嘔吐しています。

 無事に、すべてコーヒー豆を嘔吐したので、
胃酸抑制剤、スクラルファートを投与し
安心した飼い主さまと、元気が無くなったワンちゃんと
無事、帰宅となりました。

 チョコレートは、ビタータイプ、量が多くなければ
大きな問題にはなりません。
しかし、コーヒー豆は、どうなんでしょうか?

 海外の論文も含め
検索しましたが、明らかに、コーヒーが犬に悪いという論文は
見つかりませんでした。
 きっと、コーヒーに含まれるカフェインが体に悪いということから
犬には良くないと言われているのだと思います。

カフェインについて、下記のような論文がありました。
Effects of cocaine and caffeine alone and in combination on cardiovascular performance:
an experimental hemodynamic and coronary flow reserve study in a canine model.
Int J Cardiol. 2004 Nov;97(2):225-32.

 この論文による、5mg/kg では大きな異常は認めないとあります。
カフェインの5mgはコーヒー豆、何粒かは不明です。

こちらは、コカインとコーヒーを一緒に投与すると
体が楽になるという犬を使った論文ですが・・・。

 このように、犬は意図して食べる場合、取られると思い飲んでしまう場合が
多く、気をつける必要があります。
 食べてはいけないものを食べた場合、
飲んだもの、量、時間を記載し、動物病院へ相談することをお勧めします。
ご自身で、塩を飲ます、指を入れるなどの荒療治はお控えくださいね。


猫の口腔内扁平上皮癌の治療
 猫の口が臭う、よだれが多い、口をペロペロすると来院された時、
多くが歯周病ですが、癌で来院されることもあります。
 
 猫の口の中にできる腫瘍は
国内の大学の報告では、扁平上皮癌が67%
それ以外の歯原性腫瘍や良性の肉芽腫が33%と報告されています。
病理検査センターでは、89%が悪性の扁平上皮癌という報告もあります。
このように、猫の口の中にできる腫瘍の2/3〜4/5が扁平上皮癌です。
転移率は7/52と犬に比べ低いと報告されています。
平均生存期間:203.3日でした。

 診断:CT、MRI
     病理検査

 治療法:外科手術
      放射線療法
      化学療法
      光線力学療法
      免疫療法
      分子標的療法
      上記のコンビネーション治療

 猫の口の中にできた腫瘍は悪性の場合が高いため、
肉眼的に異常があれば、早々に精密検査、病理検査を勧めています。
 診断が出れば、猫の状態、飼い主さまの意向、手術の方法などを
総合的に判断し、治療に進みます。

 この子は、口をペロペロして食欲が減ってきたと来院されました。
お口を開けると、歯肉に直径1.5cm大の腫瘤を認めました。

P9250708_convert_20181001162505.jpg

飼い主様には、腫瘍を疑うので、病理検査をお勧めし、
後日、検査を行いました。
 病理結果は、扁平上皮癌、同時に撮影したレントゲンでは
下顎の骨の吸収像も認めました。
 念のため、CTで進行を確認しましたが、すでに
下顎に腫瘍が浸潤していました。
リンパ節への転移は認めませんでした。
 手術を行い、下顎の切除を行うか、
放射線療法を行うか、いろいろ飼い主様と協議をしました。
飼い主様は、手術後の生活に不安を感じ、猫も高齢であることから
分子標的療法を行うこととなりました。

 治療は、根治を目指すなら、外科的に切除しかありません。
放射線、化学療法のみでは根治は難しいのが現状です。
扁平上皮癌の治療法は選択肢が多いですが、
どの治療法を選択しても長所と短所があるので
担当獣医師と納得するまで、ご相談することをお勧めします。 
     

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