新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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呼吸不全を伴術ったダックスの頚椎椎間板ヘルニアの外科手
 椎間板ヘルニアは、ダックスを始め
骨異栄養犬種に多く発症します。
発症年齢は様々で、多くが4歳から8歳で多発します。
 最近では、高齢(10歳以上)のダックスのヘルニアも来院されます。
犬の椎間板ヘルニアで怖いのは、脊髄軟化症と頚椎ヘルニアです。
頚椎ヘルニアは首から下が動かなくなるといった状態になります。
頚椎ヘルニアの発症部位が、第2頚椎から第3頚椎の間で、
脊柱管にまで及ぶと、呼吸ができなくなります。
 呼吸は、横隔膜を上下させることにより、息を吐いたり吸ったりしています。
この横隔膜を動かす神経が2−3頚椎間から出ています。

 この子は、夕方から動きがおかしくなり、
近くの病院に緊急入院をしました。
経過を見ていましたが、徐々に悪化し、頭を動かせなくなっていました。
入院の次の朝に、当院に来院されました。
呼吸もおかしく、緊急でMRIを撮影し頚椎のヘルニアを確認しました。
飼い主様に、緊急で手術しないと呼吸ができなくなり、亡くなる可能性が
高いことをお伝えし、手術をすることとなりました。

 頚椎ヘルニアの手術は、
腹側からアプローチするベントラルスロットです。
手術時間は、2時間で終了しました。

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 手術後から、横隔膜の動きも改善し、
2日後には食事もたべれるようになり、無事退院となりました。

 頚椎ヘルニアには、経過を見ていると悪化するだけではなく
死亡する病態の子もいます。
 
 頚椎ヘルニアかなと思う症状、
 ・骨異栄養症犬種
 ・元気がない(いつも活発なので動きがおかしい)
 ・どこか分からないけど触るとキャンと鳴いた
 ・食欲はある
など、当てはまる項目がある子は早めに来院をお願いいたします。

 頚椎ヘルニアは、胸腰ヘルニアと異なり
手術後、早々に症状が改善します。
胸腰椎ヘルニアは、術後2〜14日くらいで改善します。
頚椎ヘルニアは、術後1〜3日後にはかなり改善します。

 手術などの外科療法をすべきか、内科療法で良いかは、
画像診断でしか判断できません。
 治療法に悩んだり、困った場合は
担当獣医師までご相談ください。

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犬の皮脂腺上皮腫の外科手術
 犬の皮膚には良性、悪性
様々な腫瘍が発生します。
 可能な限り、病理検査を行い、
良性の場合は、拡大傾向がなければ
飼い主さまの意向で治療法を決定いたします。
悪性の場合は、手術などの外科療法をお勧めしています。

 この子は、頭の上に直径0.5cm大の腫瘍があり、
病理検査にて皮脂腺上皮腫と診断されました。

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皮脂腺上皮腫は、基底細胞様の皮脂腺芽細胞の増殖を特徴とし、
低悪性度ながら稀にリンパ節転移を 伴う場合があるとされているが、
転移病変を伴う犬の皮脂腺上皮腫の報告はほとんどなさ れていない
(リンパ節転移を伴う犬の皮脂腺上皮腫の 1 例より抜粋)

 上記から緊急の手術とは言えない腫瘍ですが、
再発症例のリンパ節転移の報告があることから、
手術を選択されました。

 手術は、皮膚にできた悪性腫瘍と同じく、
マージンを十分に取り、切除縁に気を使い
切皮と切除を行いました。
 手術は、20分で終了し、夕方には帰宅されました。

 帰宅後は、食事も取り、10日後には無事、抜糸を行いました。
外科切除した腫瘍の病理結果は、術前検査と同様で
皮脂腺上皮腫でした。
・有糸分裂像の数
・マージン
・脈管侵襲像
は問題なく、良好な結果となっていました。

 皮脂腺上皮腫は、リンパ節への転移が稀に起こるとされていますが、
現在のところ、当院では、リンパ節転移を認めた子はいません。
しかし、以前に皮脂腺上皮腫の手術を行ったことのある子は
念のために、早期に外科手術を行った方が良いのかもしれません。

 皮膚腫瘍の場合、病理検査は勘弁であることから
可能な限り、早期に検査を行うことを勧めています。
検査結果は、特別な染色が必要な腫瘍以外、
約1週間で結果が出ます。
針生検(FNA)は、臨床症状、腫瘍の経過も視野に入れ
総合的に判断が必要になります。

 

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