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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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ゴールデンハムスターの皮膚に発生した線維肉腫の外科手術
 下記には、手術の画像が含まれます。

 ハムスターは1歳くらいになる頃より
皮膚に腫瘍ができる子がいます。

 ハムスターは腫瘍の多い動物で
寿命も犬猫に比べ、短いことから腫瘍の
発生率も高いのかもしれません。

ハムスターの腕や足にできる腫瘍の中で
線維肉腫という悪性度の高い、腫瘍があります。
犬猫の場合、線維肉腫を見つけ手術した場合
すでに転移していることが多く、治療に苦慮する腫瘍です。
 ハムスターも同じで
すでに転移していることが多く、
手術をしてもリンパ管転移、血管転移しています。

 この子は、腕に腫れがあり、抗生剤などで
経過を見ていましたが、大きくなり手術を考えましたが
すでに転移をしている可能性があること、高齢であることから
経過を見ていました。

 PC050310_convert_20171215152542.jpg

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経過を見ていると元気に食欲もあるものの、腫瘍が
どんどん大きくなり、自壊し始めたので
飼い主様と相談し、手術を行うこととなりました。

 犬猫の場合、術前に転移の確認ため、血液検査
超音波検査、レントゲン検査を行います。
 ハムスタノー場合、レントゲン、超音波検査は行えますが、
転移像を見つけるのは、難しく現実的ではありません。

 手術は、全身麻酔下で行います。
麻酔は前投与で、少し鎮静をかけ
全身麻酔はセボフルレンを使用し、可能なかぎり
気管など刺激をなくします。

 手術は、毛刈りを最低限行い
消毒も最低限、行います。
 手術は、出血を抑えるため、
電気メス(モノポーラ、バイポーラ)
半導体レーザー、超音波メスを使用します。
 事前に決めていた切開部をモノポーラで切皮し
モノポーラ、半導体レーザーで細い血管を処理し
リンパ節、大きな血管は、半導体レーザーで処理します。
 今回は、肩関節からの断脚術を行いました。
摘出した腫瘍は、このように、かなり大きくなっていました。

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手術は、20分で終了します。
縫合は、モノフィラメントの吸収糸を使用し、
皮膚は、ステープラーとナイロン糸を併用します。

 術後は、10分で覚醒し、飼い主様とご対面をしていただきました。
この子は、そのまま帰宅し、夜、再診になりました。
 術後は、やはり痛いので、元気、食欲が落ちますが
3日目くらいで回復し、元気になります。

手術した後は、皮下縫合と埋没縫合を行い、
このようになっています。

 PC050313_convert_20171215152656.jpg


 今回の手術を決定するまで、
何度となく、飼い主様と話し合いを行い、手術となりました。
手術自体は難しくないのですが、麻酔の管理と
腫瘍の転移の問題があります。

 この子は、幸せなことに脈管侵襲などもなく、
同時にリンパ節郭清した部位にも転移は認められませんでした。

 術後、数日は元気、食欲も低下しますが、
術後、3日目からは元気も出てきて、活発に動くようになりました。

 飼い主さまも、とても喜ばれ
手術をしてよかったとおっしゃっていただきました。
 
 ハムスターの手術は、麻酔管理さえ行えれば
断脚、腫瘍の切除術は可能で短時間で終わります。
担当獣医師と相談の上、治療法をお決めください。

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猫の腎不全の新薬(ラプロス)の知見
 7歳以上の猫に腎不全が多いことは知られています。
現在、国内では猫の腎不全の治療薬は、3つの薬が認可されています。
その3つの薬は、

PC040305_convert_20171204172631.jpg

ACE阻害薬(ACEI):アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡへの変換を阻害し
昇圧系を抑制する。
カリクレイン-キニン系を刺激して降圧系を促進する作用
  商品名:フォルテコール(薬品名:ベナゼプリル)

ARB:アンジオテンシンⅡが作用する受容体を直接的に阻害して昇圧系を抑制する。
  商品名:セミントラ(薬品名:テルミサルタン)

ベラプロストナトリウム:プロスタグランジン(PGI₂)の誘導体で,
               抗血小板作用・血管拡張作用・血管内皮細胞保護作用。
  商品名:ラプロス(薬品名:ベラプロストナトリウム)

 猫の腎不全、3種類の製剤の特徴は

      錠剤・・・ACEI 、ベラプロストナトリウム
      液体・・・ARB

効果:3種の薬剤を比較した論文は発表されていません。
ACE,ARBの比較はあります。(2017年現在)

費用:ベラプロストナトリウム・ARB>ACEI(投与量による)

投与回数:ACEI 1〜2回・日
       ARB 1回・日
       ベラプロストナトリウム 2回・日

使用法:経口投与

現在、ラプロスを第一選択薬にしている病院は少ないようです。
大学病院の腎臓科専門医は、ラプロスが新薬であること、エビデンスが少ないこと
既存の薬で間に合っているということから、ラプロスを使用していないとセミナーで
講演されていました。
 当院でも、ACEIもしくは、 ARBを第一選択にしています。
ラプロスは、食欲不振の子に効果があると思います。
何人かの飼い主様からも、ラプロスにしたところ、元気になり
食欲が改善したという報告を受けています。
 腎不全が悪化した際に、ラプロスに変更し、改善したというより
元気、食欲の改善目的に使っています。
さらに、高血圧が改善しない場合、アムロジピンを併用できない場合
などにも効果があると思います。
 投与量は、1日2回 1回1錠と記載がありますが、
この量だと、血圧が低下する症例を経験しているので、
血圧を見ながら、1回半錠でも良いのかと思っています。

 このように、猫の腎臓薬は選択枝が増え、飼主さま、猫ちゃんの
要望に応えれるようになりました。
 その分、お薬の選択も大変になりました。
腎臓薬の選択は、お薬の形状(錠剤、液体)、価格、
内服の回数、重症度などから選んでいただいています。

 腎臓病を患っている猫ちゃんがいるご家庭は、
心配で、なんとかしてあげたい気持ちでいっぱいです。
そのために、少しでも有用な情報、改善する薬をご紹介しています。
 
 詳しくは、担当獣医師もしくは病院スタッフまで
ご相談ください。


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