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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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再発したMダックスの頚椎ヘルニアの外科手術
 中高齢のMダックスが動かなくなった、
動きがおかしい、触るとキャンと鳴いたという症状は
ないでしょうか?

 ほとんどの場合、
食欲はあるし、他に症状がありません。
でも、なんか元気ないというと頚椎ヘルニアかもしれません。

 好発種はMダックス以外にも
パピヨン、チワワ、ペキニーズが多く来院されます。
 今まで、椎間板ヘルニアといえば胸腰椎のヘルニアが
多く来院されていましたが、ここ数年、MRIなどの検査が
簡易に可能になったため、頚椎ヘルニアの診断が容易になりました。
 
 頚椎ヘルニアの確定診断は、レントゲンや、血液検査では
診断が難しく、ほとんどの場合、CTもしくはMRIを必要とします。
CTの方が、麻酔時間も短く、検査費用も安いことから
良いのですが、椎間板ヘルニアの中には、CTでは、確定できないものや
神経、血管の走行などが把握できないこともあるため、
当院では、可能限りMRIをお勧めしています。

 頚椎ヘルニア

 平均発症年齢 
7.7歳±2.5歳(Rossmeisl JH, Vet Surg, 42, 795-806 (2013)

 グレード分類(Textbook of small animal surgery)
グレード1: 初 め て 頚 部 痛 を 示 し た状態
グレードⅡ:その頚部痛が常に持続するか断続 的にでも継続する
グレードⅢ:頚部 痛の他に四肢のふらつきを主徴とする神経学的異常

 治療法
内科療法:内服薬、注射など
 多くが、ステロイド(特にプレドニゾロン)
MPSSのような薬は、副作用の方が多く、使用される場合は
獣医師との協議が必要になります。
 非ステロイド性の鎮痛薬は犬で新薬が発売されていますが、
現在のところ、痛みをコントロールすることに関して、使ってみる価値はあります。

 外科療法:腹側減圧術(VSD : Ventral Slot Decompression)
 内科療法でコントロールできない場合、第一選択の治療法です。

 上記以外の手術法もありますが、当院では、ベトラルスロット以外の
方法で行うことは、あまり無く、予防的に手術する場合などは、
片側椎弓切除術、腹側造窓術を行います。

 この子は、2年前に腰椎の椎間板ヘルニアになり、その後、
頚椎ヘルニアを合併し、手術を行い、問題無く、生活できていました。
ある日、歩き方がおかしいと来院されました。

 検査の結果、頚椎ヘルニアと診断しましたが、
2回目の手術ということもあり、飼い主様の同意が得られず
内科療法で経過を見ていました。
 内科療法で徐々に悪化し、前足が動かなくなり、
立てなくなった状態ってしまいました。

 飼い主様と再度、話合いを行い、手術を行うこととなりました。
手術部位は、2年前に手術を行った、1つ前の頚椎に椎間板物質が
突出していました。
 
P1060362_convert_20171104175128.jpg

  手術はベントラルスロットを行い、
無事、椎間板物質を除去できました。
術後、2日で退院となり、退院時には前足も動くようになり
2週間後には、歩行が可能になっています。

P1060368_convert_20171104175230.jpg

 手術部位は、約2mm骨を除去し、
椎間板物質を取り除きました。
 とても小さい穴のため、術後も回復が早く、
痛みもコントロールが可能です。

 この手術は、術前に椎間板物質の状態を把握するため
MRIなどの詳細な画像が必要です。
手術は、術前の検査である程度、難易度が決まります。
手術は、状態にもよりますが、1.5〜3時間かかります。
術後は、2日間の入院を行い、自宅療養に移行します。
 抜糸は、2〜3週間後に行います。

 手術後は、痛みも無く、麻痺も改善するので、
飼い主様も、ワンちゃんもとても、元気になります。
 手術まで、恐怖、痛みと心配が多くなる病気ですが、
獣医師とよく相談の上、治療法を決めていただくと幸いです。
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