新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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ヨーキーの卵巣腫瘍(顆粒膜細胞腫)の外科手術
避妊をしていない老犬に卵巣の腫瘍が発生することは
稀ですが、子宮疾患の検査の時に偶然、発見されることが
あります。

 この子も、子宮蓄膿症の検査のため
超音波検査を行った際、発見されました。

飼主様も、もちろん、知らず超音波検査を実施した際、
画面に直径4cmの腫瘍を見て、びっくりされていました。

 子宮蓄膿症と手術ため、開腹した際
同時に卵巣の腫瘍を切除するため、緊急手術となりました。
 手術は、卵巣の大きな腫瘍が両側にあるため、
大きめに皮膚を切開し、開腹させていただきました。

 開腹すると、大きな卵巣と膿が貯留した炎症を起こした
子宮が確認できます。

 P1060675_convert_20170620152913.jpg

 卵巣は、かなり大きくなり、摘出時、癒着を剥がすこと
さらに、子宮蓄膿症の影響で、腹膜炎を併発していました。
 切除した、卵巣はこのようなかなり大きくなっていました。

P1060677_convert_20170620152940.jpg

 卵巣の腫瘍の約50%は顆粒膜細胞で、
良性が多い腫瘍と言われています。
今回、摘出した顆粒膜細胞は、悪性でした。
悪性の顆粒膜細胞は全体の20%を占めています。
 この子は、悪性腫瘍でしたが、皮膜に包まれ
転移もなく2日後に、退院となりました。

 卵巣の腫瘍は、飼主様が気付かれる時には
すでに、胸膜炎や腹膜炎とを併発し、元気がないなどの
症状を呈して、来院されます。

 今回のように、他の疾患で、念のため
超音波検査を行うと、見つかることが多い腫瘍です。

 避妊をしていない、お歳の召したワンちゃんの飼主様は、
年に1度でも良いので、超音波検査を行うことをお勧めしています。

 顆粒膜細胞腫は、卵巣腫瘍の中で
もっとも多く発症する腫瘍です。
基本、良性の腫瘍ですが、悪性の場合もあり、
悪性の場合、腹膜炎、胸膜炎などの腫瘍随伴症候群に陥り
来院されることもあります。

 最近、発情出血がないな?
お腹が大きいかな?
外陰部が腫れてるな?
と感じたら、卵巣の腫瘍かもしれません。。。

 超音波検査は簡単な検査のため、
心配な方は、担当獣医師にご相談ください。

 
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スピッツ犬にできた再発する皮下脂肪腫の外科手術
 犬の皮下にできる腫瘍で一番、多発する腫瘍は脂肪腫です。
 脂肪腫は、良性の腫瘍で、脂肪腫には
浅在性脂肪腫・・・皮下組織に発生
深在性脂肪腫・・・筋膜下、筋肉内、筋肉間に発生
があります。

 診断は、多くの場合、触診と針生検で診断されます。
人の場合、CT,MRIなどを用い、画像診断で診断されます。

治療法は、外科手術が一般的で腫瘍の直上の皮膚を、
腫瘍の直径よりやや大きく切開し、
被膜を破らないように周囲組織から剥がして、摘出します。

予後は、手術で切り取れていれば同じ部位に
再発はなく、経過も良好です。

 この子のように、再発を繰り返すこともり、
年に数回、切除を呼び無くされることもあります。
 脂肪腫は、大きくならなければ
経過を観察することもありますが、中には
かなり大きくなる子もいます。

 この子も、定期検査で皮下に脂肪腫があり、
徐々に大きくなっていました。
飼主さまは、手術が可哀想で、経過を見ていましたが、
かなり大きくなったため、手術に踏み切られました。

P1060644_convert_20170620152509.jpg

 手術は、皮膚を切開しました。
この子は、筋層の下に腫瘍があり、筋肉を切開し
腫瘍を摘出しました。
多発であったため、合計4箇所の脂肪腫を切除しました。

 P1060649_convert_20170620152546.jpg

 脂肪腫は、なぜ再発するのか
未だ解明されていませんが、人の方では
中性脂肪の高い人に多発する傾向があるようです。
確かに、この子も、少しぽっちゃりですが・・・。

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 現状、脂肪腫の治療法は
外科切除しかなく、内科療法、予防法もないようです。
Mダックスの4椎間にまたがる多発性椎間板ヘルニアの外科手術
 ダックスの椎間板ヘルニアは、ダックスを飼育されている方なら
ご存知の通りでしょう。
 椎間板ヘルニアになりやすいのは、
太っているから、急な動きをするからというのは、本当でしょうか?

 当院での椎間板ヘルニアの子で、
太っている子は、少ないです。
また、走り回って元気な子も、ヘルニアになりやすいことはありません。

 椎間板になる子は、犬種、遺伝性などが要因と言えるでしょう。
この子も、おとなしく、太っていませんが、急に動けなくなり
歩けないと来院されました。

 MRIにて多発性の椎間板ヘルニアと診断しました。
飼主さまには、MRI画像から、年齢とともに悪化してきており
予後が悪いかもしれませんが、今より改善する可能性があることから
手術となりました。
 手術は、腰椎の4椎間にまたがっており、
かなりの重症でした。

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 手術は、1時間半で終わり、
2日後には退院となりました。

 この子のように、高齢の多発性椎間板ヘルニア症例が増えています。
高齢の場合、今までに椎間板ヘルニアを発症してきた子も多く、
術前の検査が重要になります。
高齢だからといって諦めないでください。
まずは、診察から開始しても良いのではないでしょうか?
 
 犬の椎間板ヘルニアには、人の分類のようなものはありませんが、
勘弁に、分類されています。
 人と同じように、年齢により、タイプが異なる傾向にあります。
 
 Mダックスのヘルニアは、4〜8歳の好発年齢の場合、
手術による予後も良いですがs、再発率も高い傾向にあります。
 8歳以上の再発例は、手術による予後は若い子に比べ良くないので、
MRI画像により予後判定を行っています。

 人の分類は下記に参照させていただきます。
髄核膨隆(intraspongy nuclear herniation)
髄核突出(protrusion)
髄核脱出(extrusion)
髄核分離(sequestration)
現在ではさらに髄核脱出を後縦靱帯の穿破していないsubligamentous extrusion
後縦靱帯を穿破しているtransligamentous extrusionに分け,
髄核膨隆はbulgingと表現する分類が主に用いられている。
             参照:AAOS(American Academy of Orthopaedic Surgeons)

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