新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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フェレットの腸内異物の外科手術
 フェレットは、何にでも興味があり
何でも、口に入れてしまいます。

 この子は、急に食欲なく、元気もないと
近くの病院で、診察を受けられ、治療をしていたのですが
改善しなかったので、病院からの紹介で診察をさせていただきました。

 診察中も、フェレットの元気さもなく、おとなしく
飼主さまも、いつもの元気がないと・・・。
 お腹を触ると、胃が腫れており、腫瘍のような塊は
触知できませんでした。

 血液検査では、大きな異常は認めず、
レントゲンで、胃の拡張と腸の動きが停滞していました。
 異物を疑ったのですが、飼主様は、異物を口に入れる子ではないと。。。
超音波検査では、十二指腸に異物らしき影があり、
再度、飼主様も相談しました。

 飼主様も、検査の結果から
心配なので、開腹手術を同意され、緊急で開腹手術を行いました。
 開腹の結果、十二指腸に異物があり、
同時に胃の中にも異物が認められました。
 腸に異物が閉塞し、腸が変色しています。

 P1060388_convert_20170228100230.jpg

 異物を取り出すと、毛?のようなものが出てきました。

 P1060393_convert_20170228100332.jpg

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異物は、合計で4個、取り出されました。

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念のため、他の臓器も、確認しましたが、異物は認められませんでした。
 手術は、1時間で終了し、2日後に無事退院されました。 
 
 異物は、毛の塊で、飼主様のおっしゃる通り、
異物というより、絨毯の毛や、飼主様の毛を食べて、
胃の中で、毛球になり腸に閉塞したと推測されました。
 このように、猫や、フェレットなどの肉食動物は
胃の中で、毛玉を作りやすく、毛球症になることが知られています。
 フェレットは、猫と違い、吐いて出すことが苦手なので、
腸閉塞の原因になることがよくあります。
 フェレットを飼っている方は、床に落ちた毛を食べていたり、
拾い食いの癖のある子には十分に気をつけてください。
さらに、毛球予防に、毛球予防のサプリメントなどを
定期的に与えることをお勧めしています。

 退院時、飼主様は、元気で、食欲のある、
いつもの状態に戻った、我が子を見て嬉しそうでした。


 
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猫の脊髄腫瘍(髄膜腫)の外科手術
 下記には手術の画像が含まれます。

 犬の後ろ足がふらつくと来院されることは日々の診察で
よく遭遇する疾患です。

 猫の後ろ足がふらつくことは多くありません。
この子は、1ヶ月前から他の病院でステロイドを
投薬していましたが、悪化したため来院されました。

 猫の後ろ足がふらつく病気としては、
内臓疾患(肝臓や腎臓などの)
内分泌疾患(甲状腺や副腎、糖尿病など)
脳疾患(脳炎や脳腫瘍など)
脊髄疾患(椎間板ヘルニアや梗塞など)
ウイルス疾患(白血病ウイルスやFAPなど)
上記以外にも色々、あります。

 今回の子は、他の病院でステロイドを使用したこと、
またその経過などから、脊髄疾患を疑い、MRIを実施しました。

 MRIでは、脳に異常は認めず、脊髄に腫瘍を認めました。
第6腰椎と第1仙椎の左側にあり、臨床症状、神経症状とも一致しました。

 現在、MRIやCTの画像での腫瘍の診断は難しく、
病理検査が必要になります。
今回は、脊髄腫瘍の摘出と、同時に病理検査を行いました。

 手術は、変側椎弓切除術と背側椎弓切除術を組み合わせました。

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手術は、神経などに触れることから
3時間ほどかかりました。

 術後は、大きな障害もなく、2日後に無事退院となりました。
病理結果は、髄膜腫の亜種でした。
 
 猫の髄膜腫は脳に多く発生し、
48頭の中、45頭が脳に、3頭が脊髄腫瘍という報告があります。
(Carpenter JL,Disease of the cat)

 進行は様々で、3〜5か月にわたって、運動失調が認められ、
その後、対麻痺になった症例や、後肢の不全麻痺が進行しなかった症例もいました。
(Aspertoi RM,Vet Radiol and Ultrasound)

 猫の脊髄に発生した髄膜腫に関して
未だ、エビデンスが乏しく、この子の飼主様にも
手術の結果、予後が悪くなること、悪化することも
お話をした上で、手術を行いました。
 術後は、経過も良く、
自分でトレイにも行けますし、排尿排便も可能です。
術後、放射線療法を併用した方が良いとする論文もありますが
何度も麻酔をかけることから、今は経過を見ています。

 手術後、元気にしている猫ちゃんを見て
飼主様も安心されたようです。
 猫ちゃんも飼主様も、ご苦労様でした。



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