新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の肛門粘膜過形成の外科手術
 肛門からの出血を心配され来院される犬は多くいます。
この子は、肛門からの出血ではなく、肛門からイボが出て
出てきたら飼主さまが、指で肛門に押し戻していたコリーです。

 確かに、来院時も肛門からいぼ痔のようなものが出ていました。

P1060206_convert_20161127172831.jpg

飼主さまも、毎回、指で肛門に入れるのは
可哀想ということで、急遽、手術となりました。

 手術といっても、悪性の腫瘍ではないので
超音波メスを用いて、1分で終了です。

 術後は、このように
全く出血もなく、切除されています。

 P1060211_convert_20161127172947.jpg

 次回の排便からは
血も出ず、飼主さまのても煩わさず
みんな幸せに生活できます。
 
 動物医療も年々、進んでおり
今までの医療器具では難しかった手術や
治療法も確立されています。

 可能な限り、動物に負担のない医療
治療法を考えており、専門の先生にもご紹介させて
いただいております。
 
 ご不安なことがあれば、
スタッフまで、ご相談、ご質問ください。


 
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猫の子宮内膜増殖症の外科手術
 猫の子宮疾患は年々、少なくなっています。
このことは、不妊手術を行っている猫が増えていることと
関連があると思います。

 この子は、急に元気がなく、食欲もないと
飼主さまが連れてこられました。

 血液検査では、腎不全が認められました、
レントゲンでは、腹部に腫瘤状の高デンシティー物を
認めたため、超音波検査を同時に行いました。

 結果、直径2、4cm大の低エコ−性の子宮を確認しました。
炎症性タンパクも低いことから、子宮粘液症と診断し
食欲が落ちた原因である、腸炎の治療を開始し、
一般状態が改善したら、卵巣、子宮の切除術をお勧めしました。

 1週間後、猫ちゃんは元気になったと飼主さんと
猫ちゃんが来院され、子宮の手術のお話をさせていただきました。
 飼主さまも、手術に納得され
手術の日程を決めて帰宅されました。

 手術は、定方通り行われ、
翌日の朝に帰宅となりました。

 子宮はこのような、大きな塊となっており
中には透明の液体が溜まっていました。

 P1060225_convert_20161127160012.jpg

 病理検査の結果は、子宮内膜増殖症でした。
子宮内膜が異常に分厚く増殖しいろいろな症状を引き起こす場合があり、
このような状態を子宮内膜増殖症とよんでいます。

猫の子宮内膜増殖症は多くが5歳以上で高齢なるほど
発症率は増加していました。
49%は無症状で、避妊手術などの際に
偶発的に診断されています。
臨床症状を認めた猫の71%は子宮蓄膿症などを併発していました。

Clinical and pathologic features of endometrial hyperplasia, pyometra, and endometritis in cats:
79 cases (1980-1985).
J Am Vet Med Assoc. 1991

 猫の子宮疾患に関しては、
海外の論文でも、多く発表されていません。
人と異なり、発見時に悪性腫瘍と併発している場合が
少ないこと、また、治療法が卵巣子宮摘出術を行うことで
完治するため、報告が少ないと考えられます。
グレーハウンドの皮膚に発生した血管肉腫の外科手術
 グレーハウンドの皮膚にイボがあると来院されました。
大きくなっていないけど、血管に近いので心配ですと
飼主さまは心配そうです。

P1060227_convert_20161127160100.jpg


 診察では、付属リンパ節、体表リンパ節の確認を行い
飼主さまが外科的な治療を希望されるようであれば、
検査を行います。

 飼主さまは、同居犬も皮膚の腫瘍で
大きくなって心配になったので、外科的な治療を望まれまれました。

 手術前に、検査を行い
麻酔のリスクが低いこと、肺などに転移像がないことを確認しました。

 グレーハウンドのような胸の深い犬種の麻酔を
心配される飼主さまも多いですが、事前の検査と
麻酔管理に問題がなければ、安全に行えます。

 手術は、両側の皮膚の腫瘍をマージンを確認しながら
伏在静脈を気づけないように慎重に切除しました。

 腫瘍の病理結果は血管肉腫でした。
血管肉腫とは、悪性腫瘍の中でも悪性度が高い腫瘍です。
脾臓、心臓などにも発生し、病理検査を行った際には
ほとんどが転移をしている悪性腫瘍です。
血管肉腫は脾臓以外にも肝臓、心臓に発生し、
これら以外にも皮膚、 皮下、骨または肺に転移病巣を形成することがあります。
この腫瘍は非常に転移率 が高く、1 年生存率は 10%未満であると報告されています。
(Brown et al,1985)

 今回は、2箇所とも、脈管転移は認められないものの
原発があり、そこから転移した可能性もあり、念のため、
心臓と、脾臓を重点的に精査を行いました。

現在、血管肉腫に関しては、新しい治験薬と
分子標的治療薬で良い結果がでているため、
飼主さまの希望があれば、これらの治療法を
外科的な治療法と併用もしくは、単独で行うことも
行っています。

 手術は・・・という飼主さまも、
担当獣医師と、ご相談ください。
腎不全を伴った高齢猫の乳腺腫瘍の外科手術
 高齢の猫とは一般的に7歳上(シニア)といわれています。
この子は、17歳の高齢で、以前から腎臓病で来院されていました。

 飼主様が、何気なくお腹を触るとしこりに気づき
来院されました。
 
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 手術前の検査では、腎数値がかなり高い値で
BUN 55 CREA 4,0 IP 5.2 ALB 2,2 Ca 14.6 と
腎臓疾患 ステージⅢ
治療は、血管拡張剤とリン吸着剤、食事療法を行っていました。

 飼主様には場所的に乳腺腫瘍と仮診断し
病理検査を勧めるとともに、治療法を提示しました。

 飼主さまは、以前に乳がんの手術を経験しており
外科的な治療法を望まれました。
 
 手術の前に、血液検査、胸部レントゲン、超音波検査を行い
麻酔に対しての安全性を確認しました。

 術前検査は、腎臓病と、上皮小体の問題はあるものの
1時間の手術は問題ないと決断しました。

 手術は、朝から入院点滴を行い
さらに、酸素化も行いました。

 麻酔後、毛を刈ると、乳腺の血管に沿って
腫瘍がかなり大きくなっていました。

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手術は、血圧に気をつけながら
通常の麻酔ガスのイソフルランではなく、
セボフルランを使用し、さらに、血管からも鎮痛剤と
麻酔薬を併用し、無事、40分で手術は終わりました。

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術後は、点滴を行いながら
血圧のチェックをして、痛みの管理を行い、
念のため、翌日の朝に帰宅されました。
 退院時は、家族総出でお迎えに来られました。

 猫の乳腺腫瘍は、高齢に多く発生し
悪性度が高いことが報告されています。
 乳腺腫瘍例の90%〜30%と幅がありますが
高率に悪性である乳がんの可能性があります。
 
 猫のお腹にしこりを見つけた場合、
早期に、獣医師に診察をしていただき、
検査、治療法を確認してください。

 

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