新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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猫免疫不全ウイルス(FIV)の歯肉炎の治療
 猫の感染症は、毎日、診察で診せていただいていますが、
年々、猫の白血病と、猫の免疫不全ウイルス(FIV)は、症例が少なくなっています。
このことは、室内飼育が増え、多くの飼主さまが、ワクチンを接種している
良い結果だと思います。
 しかし、今もFIVに罹患した患者さんが来院されます。
ほとんどが、外で弱っているところを保護した、外の猫ちゃんを
自宅に入れたといった保護猫です。

 保護した時に、多くの病院で血液検査を行います。
もちろん、オス猫なら、なおさら、ウイルス検査を行います、

 この子も、弱っているところを飼主さまに助けられ
家で飼われるようになったようです。
 家で飼うようになってから、ヨダレや、口臭が気になっていたようです。

P1060185_convert_20161021152446.jpg

 FIVは、今も、確実な治療法ななく、
対処療法といって、抗生剤、抗炎症剤、鎮痛剤、ステロイド、サプリメント
レーザー治療、オゾン療法などです。

 FIVは、完治は難しいですが、
歯肉炎や、口内炎の場合、FIVが原因にはならず
猫カリシウイルスが、大きな原因であると報告されています。
 Bones et al.,FJM 2012より
また、細菌も原因であると言われており、特にバルトネラ属菌が
多く認めれますが、この菌を駆除しても口内炎は完治しないと報告があります。

 当院では、現在、口内炎の重症例は、
抜歯を勧めています。

 抜歯は、歯肉炎た口内炎の主原因である
口腔内の細菌を軽減すると報告されています。
 基本的には、抗生剤、サプリメント、インターフェロンなどで
治療し、反応が良くない場合は、抜歯を行うことが多く、
下記に、抜歯の概要を記します。

 抜歯の治療効果

 論文や、報告では、
歯肉性口内炎の治療には抜歯が完治や改善などが
認められる最も、効果的な治療法です。

 抜歯には全額抜歯と全臼歯抜歯とあります。
全臼歯抜歯と全臼歯抜歯と治癒率は変わらないと
報告されています。
 抜歯には、飼主様の同意と麻酔の安全性を
確認の上、行っております。

 猫の全抜歯に関しては、
担当獣医師もしくは、看護師にご相談ください。
(J-VET 9.2016参照)
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フェレットの後肢麻痺
 フェレットは、飼ってみると
犬好き、猫好きに関係なく、可愛い動物です。

 おしっこ、うんこも、きちんとトイレでするし
呼ぶと来ます。
 私も2頭、飼っています。

 今回は、私のフェレットが
ある日、急に歩けなくなり後肢麻痺になった子です。

 3歳の、去勢済のマーシャルのフェレットが、
いきなり、後肢が麻痺肢、ほふく前進になり
当院に来院されました。

 問診後、血液検査、レントゲン、超音波検査を行いました。
 超音波検査でjは、肝臓に嚢胞が形成されていました。
肝数値もかなり高い数値でした。

 レントゲン検査では、大きな異常を認めず
脊髄疾患が強く疑われました。

 飼主様と相談し、血中インスリン濃度、
CPKアイソザイム、ウイルス検査を行いました。
 ウイルス検査の結果、
『アリューシャン病』の抗体価が高く、
アリューシャン病と診断しました。

 アリューシャン病は、
フェレットに多く発症するパルボウイルスに罹患し
発症した他臓器に不全を起こす、難治性の疾患です。
 症状は、元気食欲減退、体重の減少、貧血、後肢麻痺などで
全身疾患に移行することも少なくありません。

 診断は、症状、高タンパク血症(γ-globulin血症)、ウイルス抗体の上昇などで
診断が可能ですが、ウイルスの抗体価が上昇していない症例もあります。
 まずは、血液検査、レントゲン、超音波検査を行い、
他の疾患を除外してから、診断していくことがほとんでどです。
 死亡してから、解剖でアリューシャン病と診断されることも
多く、診断を下すまで、時間がかかることもあります。

 治療法は、未だ無く、
対処療法、ステロイドの投与が効果ある場合も報告されています。

 この子は、ステロイドの投与で
元気も改善し、食欲も改善していますが、
未だ、歩くことは難しいですが、
飼主様は、辛抱強く、経過を見ていきますとおっしゃっていました。

 アリューシャン病は
リンパ腫、多発性骨髄腫と似通った病気のため、
可能な限り、他の病気との鑑別診断を行ってください。
 


下記にフェレットの後肢麻痺のまとめを掲載しておきます。
お時間のある方は、ご覧になってください。

www.cabi.org/isc/FullTextPDF/2009/20093019037.pd
アジソン病を伴った、脾臓破裂のプードルの外科手術
 アジソン病とは、副腎皮質機能低下症の別名で、
プードルに多く、一生、付き合っていかなければならない疾患です。

 この子も、幼い頃から
クッシングに罹患し、毎月、ホルモン剤の接種を行っていました。
 ここ最近は、元気も良く、
飼主さまも、喜ばれていました。

 ある日、飼主さまが、急に嘔吐して元気がないと来院されました。
診察をさせていただくと、明らかにいつもの元気もなく、ぐったりしていました。
さらに、手足が冷たく、心拍も高くなっていました。

 すぐに、血液検査とレントゲンを行い、
貧血と、腹水を疑う所見が得られたため、超音波検査を行いました。
結果は、脾臓の腫瘍の破裂による、血腹でした。

 飼主様と相談し、緊急手術と輸血を行うことになりました。
手術は急遽、決まったため飼主様も立ち会いとなりました。

 麻酔をかけ、お腹を開けると
お腹の中は血まみれで、血の中に腸が浮いているようです。
 すぐに、脾臓を取り出し、脾臓に流れる血管をクランプしました。
同時に、脾臓の摘出を行いました。

P1060100_convert_20161003174942.jpg

 脾臓摘出は難しいことは、ほとんどなく、
犬種によりますが、30〜40分で終了します。

 今回も、麻酔管理が大切で、大きな問題もなく
手術は終了しました。
術後は、血圧と、貧血の改善を見ながら2日後には退院となりました。

 飼主様には、輸血が必要なこと、
緊急手術であることなどをお伝えし、手術適応となりました。
 飼主様は、待合室で祈るように待たれていましたが
手術が無事終わり、本人と面会すると緊張の糸が切れたかのように
涙が出ておられました。

 脾臓の腫瘍は、超音波検査の際、
たまたま見つかることが多く、この子のように
体調が悪くなってから、来院された場合は、
ほとんどが緊急手術となります。

 脾臓の手術は、止血のポイント、癒着などが
解決できれば、難しくない手術です。
しかし、緊急手術となることが多く、
多くの飼主さまが、とまどい、不安になります。
 担当の獣医師と良く相談され、執刀医の技量を
信じて、決断することをお願いしております。

飼主さまが、気づかずに、明日まで様子を見ていれば
きっと、血圧の低下と貧血で亡くなっていたので、
飼主さまの決断が、この子の命を助けたのだと思います。

 脾臓の腫瘍は、事前に検査が難しいため
手術になることが多くあります。
 担当の獣医師と、手術の内容、
術後のことなどを、納得するまで、お話ししてください。


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