新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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パグの腰仙椎に発症した椎間板ヘルニアの背側椎弓切除術
 椎間板ヘルニアは発症部位ごとで手術法や
治療法が異なります。

 頸椎や、胸腰椎のヘルニアは多く来院されますが、
腰仙椎のヘルニアは、さほど、多く来院されません。

 パグの男の子、11歳、後肢の動きがおかしいと
来院されました。
 レントゲンで、腰仙椎、腰椎のヘルニアを認め、
飼主さまと相談のうえ、内科療法と、レーザー治療を行いました。
 治療後は、改善傾向でしたが、1週間後に悪化したため
MRIでヘルニアの状態を確認いたしました。
MRI画像では、ヘルニア物質が脊髄を圧迫しており
手術が必要と判断しました。

 手術方法は、頸椎のヴェントラルスロット、
胸腰椎のヘミラミネクトミー、ミニへミラクトミーと異なり
腰仙椎は背側椎弓切除術を行いました。
 背側椎弓切除術は、手術時間は1時間で終了し
翌日には退院となります。

 側椎弓切除術は、ほかの切除術と異なり、
安全な手術であり、手術時間も、短く、入院も1日で終わります。

 手術の内容は、毛を剃り、消毒を行い、皮膚を切開し
高速ドリルで骨を削ります。
脊髄神経を避けて、椎間板物質を除去します。

 パグ ラミネクトミー

最後に、術部を縫合し、手術は終了します。

 犬の腰仙椎のヘルニアは椎間板疾患の中でも発生例が少なく、
手術に至るケースは少ないようです。
 手術に至るケースは、臨床症状が出ている場合に多く、
手術の決定は、MRIなどの画像診断によります。

 今回も、当初は内科療法と理学療法で改善していましたが
悪化したため、手術適応かの判断でMRIを行いました。
 
 手術後、悪化することはありません。
しかし、現状維持ということも多いため
術前に担当獣医師と話し合いをする必要があります。

 

 
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肛門周囲腺癌がリンパ節に転移し1年以上、元気に過ごしたMダックス
 肛門周囲腺癌は、10年くらい前
毎月、手術を行っていましたが、ここ最近は
去勢手術を行う方が増え、手術も症例も激減しています。
 
 この子は、うんちの出が悪いと来院されました。
レントゲンで、直腸の背側に腫瘍を認め、病理検査を行いました。
病理の結果は、腺癌のリンパ節転移でした。
 腺癌の原発は、雌犬には珍しい、肛門周囲に発生した
腫瘍でした。

 腸骨下リンパ節 縮小

 飼主さまと、協議しCTでの精密検査を行ったところ、
消化管のリンパ節に転移を起こしており、すでに手術では
取り除くことが出来ない状態でした。

 飼主さまには、肛門に出来た腫瘍は切除できますが、
ワンちゃんにとって、必要な手術で無いことをお伝えしました。
 しかし、このまま、経過を診ていても転移があるので
抗がん剤治療、放射線治療をお勧めしました。
 
 飼主さまは、麻酔のリスクを気にされてたことなどから
抗がん剤を選択されました。
でも、抗がん剤の副作用の話をさせていただくと
やはり、心配になられたのか、副作用の少ない治療をと
お願いされました。
 
 日本で発売される前から、使用していた
分子標的薬を使用することになりました。
 この薬は、日本での発売前に、オーストラリアで発売、
使用され、研究も進んでいました。

 このお薬の、問題点はお薬の値段が高く、
継続するには、飼主さんの負担も少ないことです。
 飼主さまに、1か月のお薬代をお伝えし
家で相談のうえ、決めていただくことになりました。
 翌日は、治療を開始したいと、連絡があり
すぐに治療を開始しました。
治療後、副作用もなく、初診から1年が経過しましたが
排便障害もなく、元気にしていました。
 
 このように、現在、がんの転移を認めても
緩和療法などが、いろいろあります。
 がんを手術したくない、痛いことは避けたいなど
飼主さまの想いは募ります。
 
 がんと闘うことが全てではありません。
がんと付き合うこともできます。
まずは、担当の獣医師とご相談ください。

Mダックスの肝臓がんの外科手術
 Mダックスも、高齢の子が増えてきました。
高齢になると、人と同じように腫瘍で来院される子も多くなります。

 腫瘍の疑いで診察をして、腫瘍と診断されることが
ほとんどですが、ほかの検査を行っている時に、
腫瘍を見つけることもあります。

 今回のMダックスは14歳と高齢で、ほかの病気で来院し
血液検査を行い、貧血が見つかりました。
貧血の原因を特定するため、お腹の超音波検査を行いました。
 超音波検査で、肝臓も検査した際、
肝臓に直径6cm大の大きな腫瘍が見つかりました。
同時に行った、血液検査では、肝臓の酵素はすべて正常でした。
 肝臓腫瘍の多くが、軽度~中等度、肝数値が上昇しています。

肝臓腫瘍 縮小

 
 犬の肝臓腫瘍の多くが、転移することは少なく
孤立性の腫瘍として認められます。
 肝臓の腫瘍の多くが肝臓がんで、レントゲン、超音波検査にて
見つけられることが多い腫瘍です。
 早期に発見できれば、肝葉切除で
予後はよく、完治が可能です。

 今までは、肝臓腫瘍は進行が遅いため
手術を進める獣医師が少なかったですが、
現在では、早期に発見でき、CTもしくは、MRIにて
外科適応か判断もできるようになりました。

 手術は、慣れた外科医が行えば
出血も最低限に抑えられ、1~2時間程度の手術で終わります。

 現在、肝臓の腫瘍の多くは、術前検査で
針生検を行うことが少なくなりました。
 以前は、肝臓がんの診断を行うために
腫瘍に針を刺して、病理検査を行っていましたが、
肝臓の細胞を針で刺すと、変形したり、壊れたりして
診断が難しいことが多く、診断ができないことが多くあります。

 当院でも、画像診断で肝臓がんを診断することが多くなっています。

 肝臓がんの手術は、術前により多くの情報を得ることにより
より安全に行えます。
 血液検査(凝固系)、画像診断(MRI,もしくはCT造影)
これらは、必ず必要な検査になります。

 肝臓がんの場合、ほとんどが
肝葉切除を行うため、血管の走行が気になります。

 肝臓がんの内科療法はほとんど効果がなく、
どちらかというと緩和療法になります。
 
 肝数値が少しでも高い、中高齢のワンちゃんは
早期に超音波検査を行うことをお勧めしています。
 定期的な健康診断にも超音波検査を行うことも
重要かもしれません。
 
 この子は、手術が1時間で終了し、
3日後に退院となりました。
 

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