新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

小型犬にも発症した胃拡張捻転症候群の外科手術
 大型犬を飼育されている方なら
胃拡張捻転症候群(GDV)という言葉を聞いたことが
あるかと思います。

 特に、胸の深い犬種(ジャーマンシェパード、ボルゾイ、
最近では、運動量の多い、ボーダーコリーが有名です。)

 しかし、小型犬でも胃拡張捻転症候群に罹患し、
緊急手術が必要なこともあります。

 この疾患は、早期発見、早期治療が重要です。
早期治療とは、手術よりも、早期に胃内のガスを抜き、
うっ血状態から解除しないといけません。

GDVは初期治療が功を奏したら
手術を行います。
 論文的には治療した場合でも25~45%の死亡率とされています。
 しかし、早期発見・早期の処置・治療が可能であれば、
予後は良いかもしれません。

 この子も、症状が出てから早期に来院していただきました。
症状は嘔吐が中心です。
ただ、嘔吐の回数が多く、吐くごとに元気が無くなっていきます。
また、お水を飲んでも、すぐに嘔吐するので、飼主さんも
いつもと違うと病院に来院されました。

 GDVの治療は、重症度により
異なりますが、最終的には胃固定術を行います。
胃固定術には、様々な方法がありますが、永久的に胃を
腹壁に固定します。
 固定が出来ないと、再発を繰り替えすことが知られています。

 今回は、年齢のこともあり、麻酔時間が短く、
かつ、えいきゅ

 今回は、小型犬ということもあり、
胃固定術は、5つに分けられています。
1.チューブ胃造ろう術
2.肋骨周囲胃腹壁固定術
3.切開胃腹壁固定術
4.ベルトループ胃腹壁固定術
5.腹側正中胃腹壁固定術

 本院では、各術式を飼主さんと相談のうえ、決定しています。
1.5の術式は、副作用や予後のこともあり、あまり行われなくなっています。

今回は、小型犬なので、3.の切開胃腹壁固定術を行いました。

 GDV 手術中 

 胃にも炎症が認められましたが、胃切除を行うほどでは
ありませんでした。
 また、脾臓の壊死も認められず、正常でした。
胃の捻転も、術前のガス抜きで正常位に戻っていました。
 術前、術後は、再灌流障害に気を付けて
心電図を見ながらの手術となります。
 本院では、麻酔医、術者、助手と獣医師が担当しており、
複数の獣医師の元、手術を行っております。
 術後は、このように腹壁に固定を行い、お腹を閉じて終了となります。


 GDV 固定後

 GDVの予防は、
1.食後や飲水の後は、おとなしくしておく。
2.早食いを可能な限り抑制する。
3.食事、お水の位置を高めにする。 などを行っています。

 また、GDVかなと思った場合は、
すぐに獣医師に相談のうえ、処置を行っていただいてください。
この処置が早ければ、救命率も上昇します。

 大型犬でなくても発症するので、
嘔吐の回数が尋常で無い場合は、あれ?GDVかな?と
考えてみてください。

 この子は、手術後2日で退院となりました。
スポンサーサイト

copyright 2005-2007 新千歳動物病院のブログ all rights reserved. powered by FC2ブログ. designed by sherrydays.