新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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半導体レーザーを用いた緑内障の治療法
 緑内障は、イヌもネコにも発症する目の病気です。
治療しないでおくと、失明することが知られています。
人の場合も、原発性、続発性の緑内障があります。

 イヌの緑内障としては原発性開放隅角緑内障が一般的です。
柴犬とシー・ズー犬が好発犬種である
 原発性の緑内障は、片方の眼球が緑内障と診断されてから
平均6ヶ月程で反対の眼もおかされることから、両側性の病気と考えられています。
 ヒトでは、点眼でのコントロールが長期で可能ですが、
イヌの場合、点眼でのコントロールが難しいと言われています。

 そこで、外科的な治療法がメインになってきます。

 現在、イヌの緑内障の治療法は
1.義眼挿入術
2.薬液注入術
3.眼球摘出術
4.レーザー治療術(TSCP:経強膜毛様体光凝固術)
5.チューブシャント術(インプラント術)
6.トラベクトーム
 本院では、1~4まで行っております。
5、6。眼科専門医のいる病院、もしくは、大学病院で行われています。

 今回は、痛みを伴わない、レーザーによる眼圧をコントロールしました。
この手術法は、直接、眼に触れないので、ほかの手術法よりも副作用が
少ないと言われています。
 手術法は、ワンちゃんに鎮静をかけて、眠ってもらいます。
半導体レーザーを使い、眼球から少し離して、レーザープローブを
眼球に触れずにレーザーを数秒照射します。

 緑内障 術前

 処置時間は10~20分で終了します。
もちろん、眼球に触れないので、大きな痛みや傷はありません。

 レーザー治療の問題点は、眼圧が落ちにくい子がいる事、
再発する可能性もあることです。

 それらを踏まえて、今回、手術をされたAコッカーの患者さんは
レーザー治療を望まれ、行いました。
術前は、かなり眼球は大きくなり、眼圧も45~47mmHg(正常;20mmHg以下)
とかなり高く、点眼薬でも眼圧が落ちにくい状態でした。

緑内障 術中

 現在、本院では、飼主さんとお話をして
手術法を決めております。
 すべての治療には、特色があります。
担当獣医師とご相談をしていただき、最善の治療法をお決めいただけると
ありがたいです。
 
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アイスの棒を内視鏡を用い取りだす
 ワンちゃんは、イタズラが大好きです。
特に子犬の多くが、なんでも口に入れて
飲み込んでしまいます。

 中には、便と一緒に出てくることもあったり、
吐いて出すことも、しばしば。

 しかし、吐こうにも吐けないものもあります。
特に棒状のものは吐きにくいと言われています。

 棒状の異物を食べて来院されることが
多くあります。
焼き鳥の棒、つまようじ、割りばしなどなど。
 このような棒状の異物は、催吐処置を行うには
危険も伴います。
そこで、安全な方法として、内視鏡を使用した
異物の除去法があります。

 人と異なり、動物の内視鏡には麻酔が必須です。

アイスの棒 1

これくらい、大きなものは、催吐では出せないと思います。
また、開腹手術も一つの方法ですが、お腹を開けることは
飼主さんにとっても、ワンちゃんにとっても大変です。

 内視鏡は、麻酔が必要ですが、
安全に行え、治療後、すぐに退院が可能です。

 現在、内視鏡は進化しており
飲み込めたものの多くが、内視鏡で取り出せるようになりました。
ただ、すべてが出せることが可能ではないので、
内視鏡を行う際は、飼主さんに立ち会っていただき、
手術に移行する場合に、備えております。

 ワンちゃんの飼主さんは、
手術をしないで良かったと、喜ばれて帰宅されました。
 
 処置後も、吐くこともなく、
元気にいつもの生活がおくれています。

 飼主さんは、一安心ですね。
犬の会陰ヘルニアの外科手術 2
 会陰(えいん)という体の部位を知っている方は
医療関係者か、赤ちゃんを産まれた経験のある方だと思います。

 会陰は、簡単に言うと、股とお尻の間の部分を指します。
イヌやネコの場合、お尻の横から、やや下側です。

 この部位が大きく腫れて、体の一部が飛び出すことを
会陰ヘルニアといいます。
イヌに多く発症し、ネコには、稀な病気と言われています。
 イヌでも、中高齢から多くなり、特に未去勢のオスに多く発症します。
去勢したオス、雌イヌやネコには発症が少ないと言われています。
このことから、男性ホルモンが発症の要因になっているとも言われています。
本院では、シェルティーと尻尾の短い犬種が多いように思えます。
もちろん、ネコや雌イヌでも発症します。
 学会などでは、コーギー、マルチーズ、パピヨン、ダックス、ポメラニアン、
プードルが多いと報告されています。

会陰ヘルニア術中


 本院では、毎月のように、会陰ヘルニアの患者さんが来院されています。
会陰ヘルニアは、死に至るようなことが少ないため、ほとんどの飼主さんが、
「排便しにくい、便秘、便が細い」などを心配されて来院されます。

 会陰ヘルニアの治療は、内科療法では改善せず、
やはり、外科的に治療されています。
外科療法も、内閉鎖筋フラップ、半腱様筋フラップ、仙結節靭帯を
用いた整復法があります。
 ほかには、プロプロピレンメッシュを用いた整復法などもあります。
どの手術法も一長一短がありますので、担当医とご相談のうえ、
手術法をお決めいただいております。

 今回は、左側のみヘルニアが出ていました。
手術法は、仙結節靭帯を用いた整復法を行いました。

 会陰ヘルニア術後

 今回は、お腹を開けるような開腹術は行いませんでした。

 会陰ヘルニア術後

 会陰ヘルニアを発症したイヌの20%程度は、
ヘルニア孔から膀胱や腸などの腹腔臓器が飛び出していることが
多く、ヘルニア孔から簡単に返納できます。
しかし、簡単に返納できても、お腹の中で捻転を起こすことが
多くあるので、その場合は、開腹術も併用することがあります。

 この疾患は初期で発見できないことが多く、
初期であれば、手術も簡単なことが多いので、
うんちが出にくい、便が細くなったということがあれば、
早々に病院にお越しください。

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