新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の炎症性乳癌の治療法:メトロノミック化学療法
 犬の乳腺腫瘍は日頃の診察でも
手術の件数でも多い腫瘍の一つです。
 
 乳腺腫瘍の中でも、治療に困るのが
『炎症性乳癌』と呼ばれている乳癌の一種です。
 この乳癌は、皮膚がただれて、赤く炎症を伴うことが
多いため、見た目から『炎症性乳癌』といわれています。

 炎症性乳がん 1

 今まで、この乳癌は、切除しても再発し
さらに、手術を行ったことで悪化することから
治療はないと、言われてきました。
 
 しかし、最近では、初期の状態であれば、
拡大切除を行い予後の良い症例も出て来ています。

 初期ではない場合、どのような治療法があるのでしょうか?
本院では、『メトロノミック化学療法』を行っております。
 メトロノミック化学療法とは、メトロノームのように
同じリズムで反復することから名付けられました。
今までの化学療法のように根治を目指すのではなく、
副作用を抑え、腫瘍と共存する治療法のことを言います。

 乳がんの場合、進行性乳癌にメトロノミック化学療法を
行った場合、44.4%の症例で奏功したと発表されています。
 さらに、放射線療法を併用した場合も、奏功したと報告されています。

 炎症性乳がん 2


 このように、今までの治療法では改善しなかった
もしくは、思い通りの治療が出来なかった疾患も
良くなることが多くあります。
 
 炎症性乳癌と診断され、
「治療法はありません。」「手術はできません。」と
言われ、つらい思いをされた方も完全な治療法ができた
わけではありませんが、少しでも愛犬を楽にさせてあげる医療が
進んでいます。

 現在、完治が難しい病気も、日々、医療が進歩しています。
諦めず、出来ることが無いか、ご相談ください。


 
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血管を止血する超音波凝固装置とモノポーラ機器
 動物病院にも新しい、機器が増えており
本院でも、手術、検査機器の進歩が進んでいます。

 特に、外科手術の分野では、新しい機器が導入されています。
避妊、去勢のように、毎日行う手術では、手術時間、安全が大事です。

 今回の手術機器は、止血を行う医療器具です。
止血は、今まで糸を使って止めるか、モノポーラなどの電気メス、
レーザーメス、超音波メス、などを使用していました。
 本院でも、すべてを使用し、手術を行っていました。
現在、日本で使用されている機器は下記のような機器があります。

 エチコン エンドサージャリー社製 ハーモニック
 エチコン エンドサージャリー社製 ENSEAL
下記は当院でも使用中。
 オリンパス社製 Sonosurg
 Covidien社製 LigaSure


 COVIDIEN社の新しいForce Triadは
今まで使われていた『LigaSure』と異なり、止血時間の短縮、
組織へのダメージがより、少なくなりました。

コビデン 本体

 
 本院も、以前のLigaSureを使用した経験から
今回の器具は止血が格段に早く、切れ味が良くなっていました。

 さらに、フッドパットを使用しないので、
手術に集中でき、手術時間も短くなります。
術野に集中できます。

子宮蓄膿症 手術 リガシュア


 避妊、去勢、子宮蓄膿症、脾臓の摘出などに使用しています。
今までは、血管を糸で両端を結び、ハサミで切っていました。
これはこれで、良いことも多いのですが、体に糸を残すこと、
術者の技量により、手術時間が変わること、また、糸が緩るむなどの
術者の技量の差が、患者さんへの負担となっていました。

 手術器具は、まるでハサミのようなもので
今までの止血機器とは異なり、止血が出来たかを
コンピューターが計測し、音声で知らせてくれます。
 これにより、術者の経験に関係なく、完全な止血が可能になりました。

 電気メスも、今までの機器以上に切れ味が良くなっています。
モノポーラも今までにない、モードがあり、切開と止血を同時に行え
手術時間も短くなりました。
 また、モノポーラの手元に能力を上下する
機能を持ち合わせているため、麻酔係に調整してもらう
必要が無くなり、さらに、手術に専念できるようになっています。

 子宮蓄膿症 手術 モノポーラ

 Covidienの機器を用いるようになり、
より安全に、より早く手術が終えるようになりました。
 今回、手術に立ち会った飼主さんも
手術が早く、出血がとても少ないことにビックリされていました。

 もちろん。糸での結紮が減ったため、体の中に
異物(縫合糸)を残す心配も無くなりました。

 飼主さんにとっても、喜ばれることですし、
手術を受けているワンちゃんやネコちゃんにとっても
幸せなことだと思います。

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