新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬(パグ)の肥満細胞腫の分子標的治療(新しい治療法)
 イヌやネコには肥満細胞腫という悪性の腫瘍が皮膚に出来ます。
今までの肥満細胞腫の治療は、外科的手術もしくは、ステロイドの投与が
中心でした。
 今も、肥満細胞腫の治療は、外科的に切除することのみが
完治できる唯一の治療法です。

 パグの肥満細胞腫は再発を繰り返す腫瘍として有名です。
特に、皮膚に発症する肥満細胞腫は外科的に切除しても
他の部位に発症します。
 パグの再発性の肥満細胞腫の治療は
ステロイドの投与を行うことが多いです。
今回のワンちゃんは、パグで再発を繰り返す
肥満細胞腫でした。

 犬の肥満細胞腫 プレ

 ステロイドを飲んでいただくと
再発は無くなりますが、肝酵素の上昇と
副腎皮質機能亢進症になりました。

 ステロイドの投与が難しく、再発予防のため
インターフェロン製剤の『インタードッグ』を試みましたが
インタードッグでは再発を起こしました。
 人の方では分子標的医療が行われ、
動物でも行われています。

 当院でも、手術を希望されない場合、
また、手術が困難な場合などは、分子標的知慮を行っています。

 分子標的治療とは体内の特定の分子を狙い撃ちし、
その機能を抑えることによって病気を治療するくすりです。
抗がん薬の多くは、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃してしまうので、
重い副作用を発現させることも少なくありません。
分子標的薬は、病気に関与する分子のみを攻撃するので、
がん細胞に対する効果がより高くなっています。

 現在、日本では、動物に認可された分子標的治療薬はありません。
海外では、イマチニブ(グリベック)、トセラニブ(パラディア)が
発売、使用されています。
 トセラニブに関しては、今年の発売が決まっており、
獣医師向けの説明会も行われています。

 今回のワンちゃんには、イマチニブを使用しました。
イマチニブは、日本では必要でジェネリックも発売されています。
 薬価は、先発品である、グリベック錠が
100㎎錠で¥2749(1錠)とかなり高価です。
 ジェネリックのイマチニブ錠「KN」が¥1824(1錠)です。
それでも、高価な薬です。

 現在、グリベックは、海外から取り寄せて使用しています。
グリベックが国内で発売されると、価格も少しは抑制できるかと
思いますが、保険制度のないペット医療に関しては、いまだ、
難しい治療でもあります。

 今のところ、本院で投薬していただいている
肥満細胞腫、膀胱がんの子たちは副作用も少なく
飼主さんも、安心して使用されています。

 肥満細胞腫の新しい治療法に関して
ご質問のある方は、本院のスタッフまで御連絡ください。
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IBDに用いたPEGチューブ
 食欲があっても、口から栄養を取れない犬や猫に
どのように栄養を与えるのでしょうか?
 血管からカロリーの高い輸液を行う、
もしくは、鼻、食道、腸などから直接、
栄養剤を入れる方法があります。
 この子は、食欲があるものの、
療法食を食べない、薬も飲めないワンちゃんの治療法です。
PEGチューブとは、経皮内視鏡的胃瘻造設術のことです。 
PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy )

 PEGチューブ 1

 本院では、内視鏡を用いた
チューブを胃の中に造設することが少なくありません。
特に、食欲のない子、口から食事を取れない子、などに
設置しています。
 胃瘻チューブは、人の医療でも行われています。
動物に使った経験よりも、知人や友人が入れていた
もしくは、親族が入れていたということで、飼主さんも
ご存じの方が多くいらっしゃいます。
 お話を聞くと、あまり良いイメージが無いように思えます。
この子の飼主さんも、PEGチューブのお話をさせていただいた時
あまり、良い返事が返って来ませんでした。

 ワンちゃんの病気が進行し、食欲も無くなり
元気も無くなり、飼主さんも心配になり、チューブを
入れることを決断されました。

 PEGチューブ 1

 PEGチューブ2

 胃瘻チューブには4種類があります。
動物の場合、日本ではバルーン型が発売されていないので、
バンパーボタン型とバンパーチューブ型に分けられます。
 簡単に手に入るのが、バンパーチューブ型です。
今回の子には、バンパーチューブ型を使用しました。

 全身麻酔下で、内視鏡を使い、設置します。
設置するまでに、30分くらいで終了します。
日本では、オリンパス社から動物用の簡易キットが発売されています。
海外では数社、動物用に発売されています。

 当院では、処置は、麻酔下で行い、
時間も約30分で終了します。
もちろん、チューブを設置後は、すぐ退院となります。
自宅での処置は簡便なので、お一人でも
行えると飼主さんから好評を得ています。

 ご飯が食べれるようになれば
すぐに抜けます。
抜く際は、チューブが便に出そうな子は
麻酔をかけず、チューブを切り離します。
 体の小さい子は、さすがに便に出ないので
内視鏡で除去します。
 



 
犬の膀胱癌の検査と治療
 血尿を主訴に来院される方が増えてきました。
寒くなると泌尿器疾患が増えてきます。

 この子も、1か月以上前から血尿が出たり、
治ったりを繰り返すと来院されました。
8歳のパピヨンさんで、避妊をされており、元気いっぱいでした。

 近くの病院で、膀胱炎の治療を受けていましたが、
抗生剤と止血剤、抗炎症剤と飲むと治るので、
再発を繰り返す子だと思っていたようです。

 紹介で本院に来院されました。
本院では、血尿の子の検査は、超音波検査と尿検査を
ルーチンにしています。

 この子も、飼主さんと一緒に、膀胱、腎臓、尿管の超音波検査を
行いました。
 膀胱内に、直径1.5cm大のポリープ状の腫瘤を認めました。
飼主さんは、かなり衝撃を受けたようでした。
結石などが無いか、しっかりと確認して、超音波検査は終了です。
尿検査は、膀胱腫瘍の疑いがあるので、自宅で自然排尿してもらい、
その尿を持参していただきました。

 尿は、病院内で尿検査、遠心をかけて尿沈渣をみます。
さらに、飼主さんの同意を得て、膀胱がんのルーチンの検査で
V-BTA検査を依頼しました。

 V-BTA検査とは、犬の膀胱の腫瘍を尿で判断する検査です。

・本検査単独による膀胱腫瘍診断が困難であること
 (すなわち、V-BTA検査がスクリーニング検査であること)
・陰性適中率が高いことから、検査陰性の場合は膀胱腫瘍を除外できる「可能性が高い」こと、
・V-BTA検査は画像検査や細胞診などと併用することで膀胱腫瘍の診断効率を高められる可能性があること

 以上の事から、本院では血尿があり、
超音波検査で腫瘍上の病変を認めた方にお勧めしております。
 もし、V-BTAが要請の場合、
飼主さまと相談のうえ、病理検査を行います。
病理検査は、膀胱の中から腫瘍細胞を取り出すことから
始めます。
 
 腫瘍が悪性の移行上皮癌であれば、手術もしくは、
内科療法になります。
 外科療法、内科療法の治癒率は変わらずと言われています。

海外では、動物病院の中で、V-BTAが可能なキットが発売されました。
とても簡易で、院内ですぐに結果がでるので、重宝されています。
しかし、日本では未発売です。
 詳しくは、下記のHPまで。
http://www.vetbta.com/v-bta%20package%20insert.html

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