新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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猫の悪性眼球メラノーマの外科手術
 毎日、猫の目を見ていると、カワイイなと思えますが、
なかには、腫瘍ができていることがあります。

 この子は、飼主さんが「目がおかしいと」来院されました。
年齢も高齢で、飼主さんも心配されていました。

 術前 メラノーマ外観

メラノーマ 外観 1


 外観からは瀰漫性虹彩メラノーマとそれによる続発緑内障と診断いたしました。
虹彩は重度に色素沈着し,前房や水晶体前嚢にも色素がみられました。

 猫にみられる瀰漫性虹彩メラノーマ悪性度が高く,
60%程は遠隔転移すると言われており,転移した場合は致死的です。

 メラノーマ 外観 3


 このことを飼主さんにお伝えしました。
飼主さんは、少し考えてから決断したいとおっしゃったので、
緑内障の治療を行いました。

 1週間後、眼圧は下がりましたが、
目の痛みのせいか、元気も無く食欲も低下しました。

 飼主さんから手術の依頼があり、手術を行いました。
手術は、眼球を摘出することになりました。
 手術自体は、30分で終了し、夕方には帰宅できました。

 手術後は、数日、おとなしくしていましたが
すぐに、以前のように元気になりました。

 術後、病理検査の結果が返ってきて
『悪性メラノーマ』と診断されました。
転移は認めず、脈管侵襲もありませんでした。

 手術後は、抜糸までカラーをつけていただき
10日後に抜糸となりました。

 早期に発見でき、早期に手術ができ
さらに、転移も無く、すべてうまく行った症例でした。

 
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ゴールデンレトリバーの骨盤骨肉腫の内科療法(疼痛緩和療法)
 骨肉腫とは骨にできる悪性腫瘍で人でも
発生が認められている腫瘍です。

 悪性度が高く、見つけた時には転移をしていることが多く
発見しても、手術に至らないことが多くあります。

 この腫瘍は、大型犬に多いと言われています。
日本では、ゴールデンレトリバー、ラブラドール、バーニーズなどが
多く発生しています。

 犬:発生率は、7.9頭/10万頭/年
   85%が原発性骨腫瘍
   断脚、外科処置のみの治療では90%が1年以内に死亡
    (断脚のみで、24か月生存率は、0~4%)

 上記のように、犬の骨肉腫は悪性度が高いことが分かります。

 本院では、骨肉腫の場合、外科手術と放射線療法、化学療法などを
取り入れた治療法と、手術や、抗がん剤などを使用しない緩和療法、
さらにBRM療法があります。
それらの中から、飼主さんに決めていただいています。

 この子は、13歳のゴールデンレトリバーで右後足をかばうと来院されました。
すぐにレントゲンを取ると、骨盤の骨が溶けて。直腸が変位していました。

 飼主さんに、腫瘍の疑い、特に悪性腫瘍の疑いが強く、CTでの画像診断、
病理検査を勧めました。

 CTの結果は、下記にある様に
かなり大きな腫瘍で、骨吸収も起こり、内部臓器も変位していました。
ツルーカットバイオプシーで腫瘍を一部、切り取り、病理にて検査を行いました。
 結果は『骨肉腫』でした。

 骨肉腫 CT1

 骨肉腫 CT2

 飼主さんは、ゴールデンの平均寿命よりも長生きしているので
手術を望みませんでした。

 現在、骨肉腫には外科手術、化学療法、放射線療法以外にも
様々な治療法が試みられています。 

 今回、下記の論文でも記載されているようなお薬を使い、
緩和的に痛みを制御して、つらい生活を少しでも改善してもらおうと
いう治療を試みました。

Evaluation of Intravenous Pamidronate Administration
in 33 Cancer-Bearing Dogs with Primary or Secondary Bone Involvement
J Vet Intern Med 19[1]:74-80 Jan-Feb'05
Retrospective Study 43 Refs
Timothy M. Fan, et.al

  治療は、血管を確保し、半日入院となります。
治療費は、体重により異なりますが、手術よりは
かなりお安くなっています。
 この治療は、飼主さんにとっても、ワンちゃんにとっても大きな副作用もなく、
3~4週間に1回の通院と治療で済みます。

 骨肉腫の疼痛を緩和する方法として
ステロイド、非ステロイド、オピオイドとありますが、
現在、本院では、骨への転移を認める腫瘍には
劇的な治療効果を上げています。
 
 また、使用した飼主さんからも
副作用、費用面、通院回数などから喜ばれています。

 腫瘍を持ってしまったワンちゃんや、猫ちゃんの痛みを
少しでも改善できれば幸いです。



 

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