新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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血栓症を併発する猫の心筋症の治療
 犬と違い、猫の心臓病は多くありません。
しかし、猫の心臓病の多くが発見が遅れることにより
血栓塞栓症という形で見つかることがほとんどです。

 猫の動脈血栓塞栓症(ATE)の多くは心臓疾患からくることが
多く、82~92%となっています。

 動脈血栓塞栓症の症状は、麻痺、虚血、痛み、などが認められます。
特に、飼主さんは、急に立てなくなった、肢に力が入らないなどの
運動失調で来院されます。
 この血栓塞栓症を誘発する心臓病の多くが心筋症と言われています。
心筋症には肥大型心筋症と拘束型心筋症があります。
猫の肥大型心筋症の分類は人と異なり細分化されていません。

 血栓形成には下記の3つの要因が作用することで形成されます。
1.血流の異常(血液速度の変化)
2.血液壁の異常(血管内皮障害)
3.血液凝固素因の変化(血液凝固活性の促進、血小板凝集亢進)
 (Etienne et.al Feline cardiology.2011)

診断は、ほとんどの場合、一般状態で可能ですが、
胸部レントゲン、血液検査、超音波検査で確定診断ができます。

 治療に関しては、
発症後、24~48時間が大切で、酸素吸入、痛みの管理が重要です。
人で行われている血栓溶解治療は人で発症後3時間以内と言われていましたが、
現在では、4時間半でも有効であるという研究結果が出ています。
 このt-PAという治療法に関しては猫では、検討・議論されているので
確立された治療法ではないようです。

 本院では、可能な限り、早期に治療を行っています。
外科的に手術も可能なので、担当獣医師と相談のうえ、
治療法をお決めいただいています。


  
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心臓病を持った老犬の腸管異物の外科手術
 老犬に多い病気と幼犬に多い病気とあります。
異物は、食べて良いもの、悪いものとの区別の付かない
若い犬に多く発症します。
本院でも異物を食べて来院される年齢は、ほぼ1歳未満です。

 今回、散歩中に意思を食べて腸閉塞を起こし
緊急手術を行った症例です。
つらい思いをしたワンちゃんは、12歳のダックスで、
2年前から心臓の治療を行っています。

 昨日から嘔吐が続き、食欲も落ちたと来院されました。
嘔吐の回数が多いこと、触診で腹圧が上がっていることから
すぐにレントゲンを撮りました。
 レントゲンでは、超にガスが溜まり、さらに、高デンシティーの
石らしき陰影を認めました。

 飼主さんにお聞きしたところ、昔、石を食べることがあったけど、
年を取ってから、食べていないということでした。
超音波検査も行い、腸の中にあるものは、石でした。
 
 飼主さんに、石が腸管の中でつまり、ガスが溜まり
それに伴い、嘔吐と腹痛があることをお伝えしました。
 治療法は、もうしばらく、待って便として外にでるのを期待するか、
外科的に取り出すかをお話しました。
内視鏡は空腸の起始部までなら届きますが、この部位にまで
動物用の内視鏡でも届かないことをお伝えしました。

 手術に対する危険性、内科療法に対する危険性の両方を
聞いていただき、すぐに手術となりました。
 手術自体は、難しい手術ではないのですが、
心臓病を患っていることから念のため、待合室で手術が終わるのを
待っていただきました。

腸管内 異物


 手術は約1時間で終わりました。
石は、腸で止まり、便に出るような状況ではなく、
内科的治療では悪化した可能性を示唆していました。

腸管 異物 石

腸管異物 術後

 手術後は、12時間の絶食、絶水で
12時間後から流動食を食べていただきました。
36時間後には飼主さんと一緒に退院となりました。

 飼主さんが気づかれたのが早かったこと、
手術までの時間も早かったことから、すべてがうまくいった
ワンちゃんでした。
 
 本院では、年齢に関係なく、手術前の検査で
麻酔のリスク、手術のリスクを判断し、飼主さんと
話し合い、治療法を決めています。
また、当院で不可能な治療法に関しても、専門の病院、
専門の獣医師を紹介し、検査・治療を行っています。

 年だからとあきらめず、担当獣医師とご相談してみては。
可能な限り、飼主さんの意向をお聞きしますので。

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