新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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歯石予防のためのデンタルケアキット
 歯周病のCMが毎日のように放送されています。
犬にも猫にも歯周病が多く発生しています。

 特に、犬はドッグフードを咬まず
飲み込むように食べている子が多くいます。

 特に、ビーグル、パグなどの犬種は
焦って、ドッグフードを飲み物のように飲んでいます。
 ドッグフードを咬まないと、お口の中の細菌が増殖し
歯石が付着します。
この歯石は、歯と歯の間、歯周ポケットという場所に
溜まり、歯槽膿漏などになります。

歯石 1

歯石2

歯石は人の場合、スケーラーという超音波の器具を使い
歯石を取り除きます。
動物の場合、麻酔が心配という理由で、スケーラーを使用せず
ペンチのような器具を使い、歯石を取り除いている場合があります。

 ペンチにより、歯の表面が傷つき、歯石を着きやすくしたり、
歯周ポケットの歯石をそのままにしておくことから、歯科では
あまり良い方法ではないようです。

 そこで、麻酔をかけずに、安全に歯周病予防を行います。
歯周病予防のため、ビルバックという
動物専門の歯の予防を行っている会社と共同で
下記の商品を発売しております。

 デンタルケアスターターキット ミニ

 希望小売価格 ¥700
こちらを 限定にて ¥500にて販売しております。

デンタルキット

 中身は
・動物用の歯ブラシ
・ベジタルチュウ
・歯磨きペースト
の3点が入っています。


デンタルケア内容

 以前は、デンタルケアミニ以外にも
デンタルケアセットを通常¥3500ですが、¥1500で発売していました。
こちらは、かなり好評ですぐに売り切れてしまいました。

 そこで、メーカーさんから
もっと多くの飼主さんに使ってもらうために、格安で販売をしています。

 もし、興味のある方は、スタッフまで
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画像診断と異なる椎間板ヘルニアの外科手術
 M.ダックスやビーグル、F.ブルドッグなどの骨異栄養症犬種は
椎間板ヘルニアになりやすいことは有名です。
最近では、Fブルドッグの椎間板ヘルニアが多く多く来院されています。
 椎間板ヘルニアの確定診断は画像診断になります。
特にCT,MRIが一番有用だと言われています。
今までのように、脊髄造影も行われていますが、脊髄に針を刺すことも
無いため、CT,MRI,さらに造影もオプションとして行われています。

 この子は、3~4日前から動きがおかしいと来院されました。
飼主さんからお話を聞くと、ソファーに上がらない、飼主さんに
飛びつこうとしないなどの症状がありました。

 レントゲンでは、胸椎の椎間の狭い場所がありました。
さらに、神経学的検査でも胸椎部のヘルニアを疑う所見が得られました。
ステージ判定は、グレードⅠと診断しました。
 この場合、手術は行わず、エラスポール、ビタミン剤、鎮痛剤で治療します。
治療は順調で改善傾向にありましたが、初診から6日目で右後肢がフラツキ、
来院されました。
 入院・点滴を行いましたが、改善が見られず、大学でCT検査を行いました。

 CT画像 椎間板ヘルニア 2 DV

 短軸像では、脊髄腔の7割近く、椎間板物質が飛び出しています。
今回、CT値から、ハンセンⅠ型、もしくはⅡ型のどちらかは
判断が難しいようです。

 椎間板ヘルニア CT 長軸断面

 長軸面では、2か所、椎間板物質が飛び出していました。
このように脊髄腔に椎間板物質が飛び出ていることが分かりました。

CTでは、かなり重症に見えますが、一般状態はそれ程でも無いことが多くあります。
この状態でも、臨床症状からグレードⅡで手術を行わなくても良いとされています。

 この子は、内科治療を行っていても症状が悪化したため、
飼主さんの希望で、手術を行うこととなりました。
手術は、CTの画像から胸椎の第11番目から13番目の間を
右からアプローチを行い、片側椎弓切除術を行いました。
 
 手術はマルチといって、2か所以上の複数の椎弓を切除します。
教科書的には4か所以上の椎弓切除は脊椎の不安定を起こすと
書いてありますが、この手術を行った先生や大学の教員からは
マルチの手術を行った後、骨折や脱臼を起こした症例を見たことが
無いと話をされています。
 当院でも、マルチの手術を行いますが、不安定に陥ったことはありません。
しかし、念のため、椎弓の切除の空間をかなり小さくしています。

 脊髄を下から圧迫している椎間板物質です。
内出血も起こしており、黒い血も出てきました。

 椎間板ヘルニア 術中 1 クリ

 椎間板物質を取りののぞくと、きれいな脊髄が見えています。

 椎間板ヘルニア 術中 2 クリ
 
 手術後から立ち上がれるようになり、手術から2日後には歩いて帰れるくらいになっています。
念のため、自宅では安静にしていただき、自宅で療養してもらいます。

 入院が長いと、リハビリも行えず、入院費用もかかるので
当院では、椎間板ヘルニアの入院は、1~2日間になっています。

 椎間板ヘルニアは、画像だけでも判断が難しく、
臨床症状だけでも判断が難しい疾患です。
犬も人のように、逸脱した椎間板物質が消失することがあることが報告されています。
 さらに、手術中に、予防的にPLDDなどを行った方が良いとされる報告もあります。

 今後、さらなる研究と症例の積み重ねが必要です。
それまでは、飼主さんと相談・協議を行い治療していこうと思います。

 飼主さんは、元気に歩けるわが子を見て
喜んで一緒に帰宅されました。
レーザーを使用した脾臓の血管肉腫新しい治療法
 レーザーという言葉は、いろいろなところでお聞きする言葉です。
特に、レーザーポインターというのは、日頃、会議やセミナ―で
利用されている方も多いかと思います。
 
 今回のレーザーを使用した治療法は、鳥取大学の腫瘍科の岡本教授が
研究されている腫瘍の新しい治療法である、
『ICG-リポソームを利用した腫瘍に対するレーザー治療』です。

 こちらの治療法は、現在、犬猫の鼻の中にできた腺癌、
また、脾臓にできた血管肉腫の新しい治療法を確立しようと行っています。
今まで、鼻の中にできた腺癌は外科手術、放射線治療、抗がん剤と行われてきました。
しかし、完治が難しく、再燃した場合、次の治療法がありませんでした。
 
 この治療法は、麻酔や、外科的な侵襲もなく
動物に優しい治療として注目されています。
治療法は、点滴でIGC-リポソームを血管に投与します。
この際、光に反応するのでこのように、光を遮断して
30~60分で点滴は終了します。

レーザー点滴

 点滴が終了後は、翌日に来院していただき
レーザーを20分、照射します。
レーザー自体には痛みも伴わず、麻酔なども必要ありません。

 レーザー照射

 レーザーは週に3回来院していただき、
合計6回照射します。
その後は、点滴にもう1回、照射を6回行います。
 
 このように、今までの腫瘍の手術と違った
治療の選択肢が一つ増えました。

 光線力学療法は腫瘍を完治する治療法ではありません。
腫瘍の治療のオプションとして、今まで動物医療では選択されて来なかった
治療の1つとして、考えることは良いのかもしれません。

 本院では、腫瘍の治療を
1.外科切除による手術
2.抗がん剤
3.放射線療法
4.光線力学療法
5.民間療法(サプリメントなど)
6.新しい治療法(免疫療法など)

から飼主さまと相談し、より良い治療を行いたいと考えております。

詳しくは、担当獣医師とご相談ください。
 

 
 

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