新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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ダックスの歯尖膿瘍の外科手術(歯根膜剥離チップの導入)
 イヌにもネコにも歯周病があります。
7歳以降の犬や猫は歯に歯石が付着し、それが
歯周病を誘発しています。

 この子は、Mダックスの慢性の鼻水とくしゃみで来院されていました。
以前から、歯周病のことはお伝えしていましたが、食べることに
問題が無いので、そのままにしていました。

 ここ数日、鼻水・くしゃみが多くなり
飼主さんも心配になり、検査にいらっしゃいました。
検査の結果、鼻に病気は認められず、歯が原因であることが分かりました。

 病名は『歯周病からくる歯槽骨の骨吸収』でした。
治療法は、抜歯もしくは、抗生剤のどちらかになります。

 本院では、根本治療の抜歯を行うことが多いです。
イヌやネコの抜歯は人の抜歯と異なり、全身麻酔が必要なことが多く
局所麻酔で済むことは多くありません。

 この子も、麻酔を行い抜歯を行いました。

超音波剥離

抜歯は、今まで歯肉を切開し歯と歯肉の間にエレベーターという
器具を挿入し、靭帯を切り取ります。
さらに、抜歯鉗子を用いて歯を抜いていました。
 臼歯であれば、1本10~30分くらいかかりました。
この超音波剥離装置を使うと、歯肉と歯との間に
こちらのチップを挿入し、靭帯を超音波で断裂していきます。
 今までのように、歯を割ったり、歯肉を切開する時間も無くなりました。
また、出血も少なく、術後の痛みもかなり軽減できました。
 
 超音波剥離2

 こちらの機械は、超音波で歯の表面に付着した歯石を取り除くことも可能です。
本院では、別のスケーラーを使用し、こちらの機械で歯を抜いています。
こちらの機械では、乳歯も簡単に抜けることも可能です。

 剥離チップを使用した臼歯がこちらになります。

剥離した臼歯

 このように歯を分割しないで抜歯が可能になります。
鼻水が止まらない、出血するなどの症状のワンちゃんは、歯周病が原因のことも
あるので、担当の先生とご相談してみてください。
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ボーダーコリーの悪性黒色腫(メラノーマ)の外科手術
 ボーダーコリーは以前から根強い人気があり、
ボーダーコリーの虜になっている方が多くいらっしゃいます。

 この子は、9歳のボーダーで以前、かかとに腫瘤があるので
病理検査を行いました。
 結果は『脂肪腫』で良性の腫瘍ということもあり、
経過を観察することとなりました。
検査から数か月後、前足の指の間にイボがあるので心配だと
来院されました。
 イボは、赤く、直径8mmの腫瘤でした。
リンパ節は腫れておらず、触っても痛みはありませんでした。
本人は気にしている、そぶりもありませんでした。

 飼主さんに、腫瘍に間違いないので、検査をお勧めしました。
飼主さんも脂肪腫と異なるイボだったので、検査を希望されました。

 メラノーマ 術前1

イボの一部、約1mm位切除し、病理検査に出しました。
結果は3日後に戻ってきました。
 結果は『悪性黒色腫』でした。
人では、皮膚がんと言われている腫瘍でした。
黒色腫なのに、赤い腫瘍の場合も少なくありません。

 メラノーマ術前 2


 犬の黒色腫には良性と悪性があります。
好発部位は皮膚、口の中、眼球、爪とメラニン細胞があるとこに
発症します。
 人の場合、皮膚がんというと、黒いイメージがあり、
さらに、ポコッと盛り上がっているイメージがあります。

 犬の場合、この子のように白い黒色腫もあります。
黒色腫は黒いということは、当てはまらないようです。

 メラノーマ

 黒色腫の治療は、第一選択は外科手術による、切除、
補助療法として放射線療法、化学療法、ワクチン療法などがあります。
 ワクチン療法はペプチドワクチンというDNAワクチンがあります。
しかし、現在このワクチンは日本では承認されておらず、BSEの問題で
個人輸入も難しい状況です。

 悪性メラノーマは、局所制御が目的で、マージンを考えることよりも
手術で早期に完全切除を行うこととされています。

 この子は、手術によりマージンも問題なく摘出されていましたが
リンパ管侵襲があると病理の検査が返ってきました。  
飼主さんには、これ以上の外科手術はありません。
しかし、リンパカ管に侵襲していることから、化学療法で
補助的にリンパ節に浸潤した腫瘍をたたくことにしました。

 手術後から痛みも無く、化学療法の副作用もなく
良好に経過しています。
 
 飼主さんも、わんちゃんも前向きなので
今できることから開始しています。
当初は、指も切除を考えましたが、最小のマージンで済んでいます。


 

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