新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の甲状腺がん(両側性)の外科手術
 犬が触られて気持ち居場所は
ノドの辺りだと犬好きの方は知っていると思います。
 そのノドの辺りに、できものが出来ることがあります。
この子は11歳のビーグルでノドのもっと下で
人でいう鎖骨(犬にはありませんが)が腫れてきたと来院されました。
 触診すると、確かに鎖骨の辺りに『ポコッと』できています。
特に右側が大きくなっていました。

 甲状腺がん術中

 
 飼主さんに腫瘍の疑いが大きいので
針を刺して、病理検査をしてみては?と提案しました。
飼主さんも心配されて来院されたので、すぐに検査となりました。

 FNA(針生検)の結果、『甲状腺がん』を強く疑うと返ってきました。
飼主さんからは手術ができるものなら手術をと相談されました。
 腫瘍の大きさから転移を考え、CTでの造影検査をおこない、
肺への転移は認められませんでしたが、咽頭リンパ節への転移を認めました。

 また、甲状腺がんの場合、甲状腺の組織に隣接した
副甲状腺(上皮小体)も癌化している場合があります。

この子も右側の甲状腺がかなり腫大し、術中では
判断できなかったので、右側は副甲状腺も切除しました。
 左側は1つは、甲状腺から剥離し残存させました。

甲状腺がん 術中 1

 甲状腺がん 術中 2

 術後、病理検査では副甲状腺には異常はありませんでした。

 甲状腺がん 病理

 今回は手術前にCTで血管造影を行い
また、血液検査もカルシウム濃度からPTH-rpまで測定し
手術に臨んだので、手術前に飼主さんと、しっかりとお話が出来ました。
 
 甲状腺がん 術後

 手術後はカルシウムの低下も軽く、2日後には退院となり、
現在もとても元気にしています。

 ただ、リンパ節への転移も認めたことから
術後は、抗がん剤を2種類投与して経過をみています。
今のところ、抗がん剤の副作用もなく、飼主さんも喜ばれています。

 ビーグルは甲状腺がんの好発犬種です。
時間があれば、喉の辺りを触っていただけると
早期発見につながると思います。

 
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Fブルドッグの軟口蓋過長症の超音波メスでの外科手術
 フレンチ・ブルドッグは見ているだけで
和ましてくれる、ほかの犬とは一味、違う犬種です。

 パグをはじめ、Fブル、ペキニーズなどのいわゆる
鼻ぺチャの子たちは、暑くなくてもグーグー言っていることが多くあります。
さらには、いびきをかく子も多くいます。

 この子たちの多くが、軟口蓋過長症という疾患を持っています。
軟口蓋は鼻の成長が乏しく、骨が前方に伸びないために起こるとされています。
これにより、余った軟口蓋が垂れ下がり、気管の出口を塞ぐことが
いびきや呼吸障害になると考えられています。

 そこで、口蓋垂切除術(Staphylectomy)が実施されています。
この手術は、一般的に行われる手術です。
特に、これ以外の手術を行うことは行われません。

 手術は、口の奥の手技なので
全身麻酔下で行われます。
 また、手術は気管挿管といって気管チューブを
気管に挿入し、呼吸を機械的に確保します。

 軟口蓋 過長 術前

 鉗子でつまんでいるのが、長い軟口蓋です。

 麻酔下にて垂れ下がった軟口蓋を切除、縫合を行います。
本院では、超音波レーザーといって、手術機器の先端から
超音波を発生し、止血と切開を切除を同時に行う機器で
切除します。

 軟口蓋 術中

 術後はこのように、垂れ下がっていた軟口蓋はなくなり
呼吸の障害になっていたものが無いので、呼吸がかなり楽になります。

 こちらを使用することにより、大幅に手術時間が短縮され
かつ、術後の腫れや出血が無くなりました。

 手術時間は、この手術だけなら約5~10分くらいです。
もちろん、術前に血管確保や麻酔前投与が必要ですが、
可能であれば、当日に帰宅もできます。

 術後は、まったくガーガー言わなくなる子もいますが、
かなり楽になったと飼主さんからは好評です。

 この手術に関しては、避妊手術や去勢手術と一緒に
行うことも可能です。
 ご希望の方は担当獣医師とご相談ください。

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