新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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猫の尿道結石の外科手術
 膀胱結石や、尿道結石は普段の診察で
見かけます。
 特に、猫は膀胱結石が多く、秋から冬にかけて
多く来院されます。
理由は、猫も犬も寒くなると飲水量(飲み水の量)が減り、
トイレの回数が減るからだと言われています。
オス猫の尿道は短く、細いので、結石ができると
おちんちんの近くで詰まったりすることが多くあります。
 メス猫に比べ、オス猫が多く、特に去勢済の猫の発症率が
1番、高いと報告されています。
 
 この子は、遠方から紹介で来院された
Aショートヘアーの6歳の去勢済のネコちゃんです。

 数か月前から、おしっこが出ないと近くの病院で
入退院を繰り返していたようです。

 本院に来院された際にも膀胱はパンパンに腫れあがり
おしっこが全く出ていない状態でした。
 飼主さんは、1日でも早く治してあげたいと必死でした。
すぐに検査を行い、診断は尿道に多数の結石が詰まっていました。
これは日々の診察でもよく見かける状態ですが、
この子の場合、尿道に食い込んでおり、カテーテルを使っても
結石が膀胱に戻らないことがわかりました。

 すぐに手術となりました。
手術は、尿道に食い込んでいる結石を除去し、
膀胱内にもある結石を取り除くことです。

 さらに、再度、結石が出来ても尿道に詰まらないよう
会陰尿道ろう造設術を行うことです。
 この手術の良いところは、再発が予防できます。
しかし、膀胱炎を併発しやすいこともあるので、
術前に飼主さんとよく相談しておきます。
飼主さんは、早く自分でおしっこが出るようにしてあげたいので、
手術のリスクや併発する病気にも理解を示していただきました。

 手術の中の写真です。

 尿道結石 術中

 小さくてわかりづらいと思いますが、
尿道の中に、カテーテルの横にへばりつくようにして
結石が2個、あります。

 手術は、この後、尿道の太い部分で切り取り、
皮膚に逢着します。

 さらに、術後は2日間カテーテルを入れた状態にしておきます。
この子は、尿道が太かったので、約4mmのカテーテルが入りました。

 術後

 取り出した結石は、このように大きさも様々なサイズでした。

 結石

 結石の成分は、98%以上がシュウ酸カルシウムという分析結果です。
この結石は、現在、食事などで溶かすことが難しく
再発予防に頑張ることがベストな結石です。
 
 本院では、今回行った手術は可能な限り、行わないように
食事療法などで再発の予防を行っていますが、
年に数回、いろいろな理由から手術を行わざるを得ない場合があります。

 食事療法でも再発する子はいますし、
飼主さんが頑張っても、再発し、詰まる子はいます。
 この手術がベストな治療法ではないですが、
いろいろな原因などから行わないといけない場合があります。

 現在まで、この手術のマイナス面などを飼主さんと
相談し決断された飼主さんは、みなさま喜ばれています。
 この子も、遠方から来られて、さらに、飼主さんも
電話で状態を確認するたびに良かったとおっしゃっています。 
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小型犬の骨折(非観血的法)
 現在、大型犬と呼ばれる犬種が減って、
チワワに始まり、プードル、Mダックスなどの
小型犬が増えています。
 
 さらに、トイ種よりも小さい、ティーカップなどが増え、
中には、1kg台のプードルも来院されています。
 
 この子たちに多いのは、骨折が多いとされています。
本院でも、超小型犬の骨折の来院が多いです。
 ほとんどの骨折が、前足に多く、手首に近い部分です。
この部分の骨折は、ほとんどが手術適応と言われています。
 ほとんどの動物病院では、手術適応で、外固定(ギブス、副木)などは
まったく行わない病院も多くあります。

 手術には、お金がかかること、痛みを伴うこと、など
マイナス面もあります。
また、手術法も、各病院により異なるため、飼主さんも
困ることが多い疾患です。

 この子は、体重が2kgと小さい、ポメラニアンの1歳です。
飼主さんが、前足を上げていて、痛そうと来院されました。
 診察室でも前足を触られると痛がり、折れていることが予想されました。

 飼主さんに同意を得て、レントゲンを撮影しました。
レントゲン写真では、このように、完全に骨折はしておらず、
いわゆる『ヒビ』の状態でした。

固定前 1

 飼主さんに、レントゲン写真を見ていただき、完全に折れては
いませんが、何もしないと折れること、また、この『ヒビ』が厄介で
半分の確率で、完全骨折に移行します。
 
 このことを飼主さんにお伝えし、手術を行うか、
もしくは、手術せず、外固定を行うか相談しました。

 飼主さんは、金銭的なことなどから、手術ではなく、
ギブスの外固定を選択されました。

固定は、軽い鎮静下にて行います。
人のギブスとは異なり、硬化プラスチックを使用します。
これは、石膏のように重くなく、小さなワンちゃんでも
苦になりませんので、有用です。
 
 この写真は、固定後3週間です。

 固定後 1

 このように、手術しなくても、骨折は治癒しています。
基本的に、成長期の時は3週間以上、ギブスで固定すると
関節が固まるので、本院では3週間を目安にギブスから
スプリントに交換しております。

 骨折の治療にすべて、ギブスが有用ということではありませんが、
手術以外に方法が無いということも無いので、担当の獣医師と相談して
治療法をお決めいただくことが重要かと思います。
外陰部にできた毛包性のう胞の外科手術
 犬の腫瘍は年々、増加傾向にあります。
特に、中高齢の犬の腫瘍が多くなっています。
 この子も、11歳のシーズーで、糖尿病を患っており
避妊手術が必要で、手術を行いました。
飼主さんは、以前から外陰部に大きくなるイボがあり、
心配されていましたが、手術を希望されず経過をみていました。
 今回、避妊手術が必要になり、気になっていた腫瘤を
取ってほしいと相談にいらっしゃいました。

 手術は、糖尿病のコントロールが自宅で
出来ているので、早々におこなわれました。

 インシュリンでのコントロールができており、
血糖値も180以下で推移できていました。

 イボは、このように外陰部を押すようにできていました。

外陰部の腫瘤 術前

手術は外陰部を残しつつ、排尿障害を起こさないように取り除きます。
手術前に尿道の確認のため、尿道にカテーテルを挿入しておきます。
 
 導尿

 手術は、約1時間半で終了しました。

 手術中

 取り除いた腫瘍は、中に液体が貯留していました。

 病理前

飼主さんも、大きな腫瘍であること、糖尿病であること、
さらに、高齢であることから、かなり心配されていましたが、
手術が無事、終わったことをお伝えすると安心されていました。

 術後

 このように、手術後は可能な限り、元の形に戻し
排尿が困難にならないように整復、縫合しました。
 飼主さんも、おしっこが今までのように出るか心配されていたので、
手術部を確認していただき、安心されていました。

 糖尿病を持っていることから、術後の傷の治りを心配していました。
10日後には、無事、抜糸が終わりました。
抜糸後は、糖尿病の治療に専念できているようです。

 腫瘍ができる子は、高齢で、基礎疾患を持っていることが
多く、飼主さんも麻酔、手術にかなり悩まれるようです。
 担当医としっかりと話合い、手術を行うか、
ほかの治療法を行うか、考えていけると良いでしょうね。

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