新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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子犬のワクチン接種
 子犬を譲り受けたり、購入された場合
今後、どうしたらよいか悩むかたも多いと思います。

 そこで、今回は初めて子犬をお家に迎え入れた時の
ワクチンのお話をしようかとおもいます。

日本では、ワクチンが大きく分けて2種類あります。
狂犬病予防法で決められている、狂犬病ワクチンが1つ目です。
狂犬病ワクチンは、以前、春先に公園などで集合注射という形で
接種されていましたが、現在は、徐々に動物病院で接種される方が
増えています。
 法律では、生後90日以降の子犬への接種が義務付けれています。

 2つ目は、子犬に致死的な病気を起こすジステンパーなどを
含めた多価ワクチンがあります。
 子犬のワクチンというと、このワクチンにあたります。

 ワクチンの接種時期は、約6週令から8週令くらいで
初めてのワクチン接種となるようです。
これは、お母さんから、母乳を介して、もしくは、胎盤を介して
赤ちゃんに免疫が授けられています。
 このお母さんからの免疫が赤ちゃんの体から消えていく頃が
6~8週くらいなので、この免疫が消えてくる頃に
1回目のワクチンを接種するべきだといわれています。

 ワクチンの種類は1種類から9種類まで発売されています。
本院では、1種から9種まで取り扱っていますが、
家庭で飼う場合は、5種から9種まで選択していただいております。
 ワンちゃんの飼育方法、飼育場所、飼育環境により
飼主さんと相談してワクチンの種類を決めています。

ワクチン

 本院では

 犬)5種ワクチン・・・¥6000
   6種ワクチン・・・¥6500
   9種ワクチン・・・¥7000

 上記より、多頭飼育の場合、¥500引き
      フィラリア予防されている場合は、さらに¥500引き。
 多頭飼育でフィラリア予防もされている場合は、合わせて¥1000引きです。

 基本的にワクチンの初年度の接種回数は
生後8週以前のに1回目のワクチンを接種されている場合は
約3週間ごとに後2回、接種していただいております。
 
 生後8週以降に初めてのワクチンを接種された場合は
約3週間後に、後1回、接種して終了となります。

 その後は、年に1回の接種をお願いしております。

 本院では、初めてのワクチンの接種は
可能なら午前の来院、接種をお薦めしております。
 犬や猫のワクチン接種で一番の問題は
ワクチン接種による、ワクチンアレルギーです。
これは、人でも起こり得るアレルギーです。
 人の赤ちゃんや、子供さんがワクチンを接種した後、
30分くらい、接種した病院や、施設に居てもらっています。
これも、ワクチンアレルギーの問題もあります。

 犬の場合は、ワクチンアレルギーが

 http://www.dogs4dogs.com/blog/2009/09/30/vaccinating-small-dogs-risks-vets-arent-revealing/

上記のワクチンアレルギーとは、ワクチン接種後、72時間以内に起きた
事象といっています。
 Dr.ムーアの発表によると、1万頭に付き、38頭としています。
これは、いろいろな事情が重なるので、日本の動物病院での確かな発表はありません。

 ワクチンアレルギーが起こることは、飼主さんにお知らせを行い、
もし、アレルギーが起こった場合は、適切な処置をできるよう、
エマ―ジェンシーボックスを置いて、ワクチンを接種しております。

 特に、初めてワクチンを接種される方、また、2回目の方には、
必ず、接種後、病院での待機をお薦めております。

 本院では、必ず、2名以上の獣医師が勤務しており、
何かあっても良いようにしております。

 ワクチンを接種しないと不安ですし、接種しても不安なので
担当の獣医師とよく相談のうえ、決めてみてはいかがでしょうか?
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犬の椎間板脊椎炎の治療
 ダックス、キャバリア、コッカースパニエル、Wコーギーなどが
『キャン』と鳴いた、もしくは、元気が無いと来院されることが
多くなっています。

 ダックスなどの骨異栄養症犬種では、椎間板ヘルニアであることが
ほとんどですが、中には、椎間板ヘルニアではなく、椎間板脊椎炎で
来院されることが多くあります。

 ダックスの飼主さんなら、ほとんどの方が、椎間板ヘルニアのことは
良く勉強されていることと思います。
しかし、椎間板脊椎炎という病気はあまり、知らせていません。

 『椎間板脊椎炎』とは、椎間板の感染とそれに隣接した脊椎の
骨髄炎が同時に起こったものであると定義されています。

 この疾患は、椎間板ヘルニアと、にかよった症状なので
椎間板ヘルニアと間違われることが多くあるともいわれています。

 脊椎炎の発症率などは、詳しい報告はありませんが、
本院では月に数例、来院されます。

 脊椎炎は、外部から脊髄に細菌が入り込み脊髄に炎症を起こすことにより
重症になると歩けなくなります。
 
 診断は、CTもしくは、MRIがベストと言われています。
 
 この子は、以前から脊椎炎疑いで、経過を診ていましたが
歩行が困難になり、来院されました。
 CTでの検査では、正常と比べ、明らかに脊椎自体の変形
脊髄腔にも脊椎変性が生じています。

 これは、背骨を横から見たCT像です。

 脊椎炎 CT2

 こちらが、脊椎炎で脊椎にブリッジができ、
変形しているCT像です。

 脊椎炎 CT3

 さらに、脊椎の輪切りのCT像です。
こちらが、正常像です。

脊椎炎 正常CT1

 こちらが、脊椎炎のCT像です。

 脊椎炎 正常CT2

 CTでは、このように3D画像が構築できるので、飼主さんにも
分かりやすく、説明が可能です。
また、レントゲンでも、脊椎炎が診断可能なことも多く、
本院でもレントゲン、一般状態、神経学的検査にて、診断しております。

 治療は、手術をしても改善が認められないことなどから、
基本的には、内科療法で、歩けない子も改善します。

 1.抗生剤
 2.ビタミン剤
 3.抗炎症剤(非ステロイド性)
 4.サプリメント

 本院では、上記に半導体レーザーや、サプリメント、
また、エラスポールといった抗炎症剤を組み合わせて
治療させていただいております。

 現在までに、脊椎炎の重症例で麻痺して来院された子も
すべて、内科療法で良くなりました。
 中には、12週間もかかった子もいますが、
今は、元気に歩けるようになっています。

 脊髄疾患、脊椎疾患は、すべてがヘルニアではなく、
脊椎炎、変性症、変形症、腫瘍と多岐にわたります。

 本院でも変性症(DM)のWコーギー、腫瘍のキャバリア、パピヨン、
変形症のダックス、キャバリア、ビーグルなど、多く来院されています。
 
 ヘルニアが有名なので、背骨の神経疾患=ヘルニアと決めつける
傾向がありますが、レントゲン、神経検査をもとに、診断、治療を
されることが、自分の愛犬を守る第一歩なのかもしれません。

 
猫の乳腺癌の外科手術
 乳腺癌は犬よりも猫で多く発症します。
犬の場合、乳腺の『しこり』の半分が良性の乳腺腫瘍で、
残りの半分が、『悪性』いわゆる、乳癌であるといわれています。

 では、猫の場合は、どうなのでしょうか。
猫の乳腺腫瘍の中に、悪性の乳癌が占める割合は
最近の論文での報告は少なく、古いもので80%とあります。
ということは、猫の乳腺のしこりのほとんどが悪性の乳癌になります。
 本院でも、約90%が乳癌で、残りの約10%良性乳腺腫でした。

 避妊手術を受けていると、犬のように発生率に変化はあるのでしょうか?
これも、明確には、報告されていませんが、証拠があるといわれています。
 その根拠は、7つの論文を合わせた乳癌を発症していた猫671頭のうち
避妊していた猫は307頭、未避妊の猫が358頭と微妙な結果になります。
 このように、報告の内容を見ると、さまざまな解釈が可能なので、
やはり、犬ほど、発生率を下げるとは言いにくいようです。
 論文関連でいうと、日本、アメリカなどでは、シャムネコの発症が顕著に高いことです。
このことから、シャムネコの飼主さんは、日ごろから、愛猫のおなかの触診を
心がけると良いかもしれません。
 
 乳腺腫瘍の治療は、今も昔も外科手術が一般的です。
外科手術以外には、化学療法もありますが、猫の乳腺癌においては、
あまり、行われていないようです。
 理由としては、手術で根治が狙えること、また、
乳腺腫瘍の手術自体が、簡便で、ほとんどが日帰りであることでしょう。

 しかし、猫の乳腺腫瘍は前述のように、悪性が多く、さらに
肺への遠隔転移が多いこともあり、早期発見早期治療が良いとされています。

 今回、来院されたネコちゃんは、以前から左側の胸にしこりがあり
だんだん、大きくなってきたと来院されました。
 初診時に、乳腺癌の可能性が高いこと、また、肺への転移の可能性があること
などをお伝えし、検査となりました。

 検査は、血液検査、胸部レントゲン検査、心電図検検査を行い、
異常がないかを確認します。
 この子は、高齢であったため、腎臓に異常が認められました。
しかし、手術に影響はないことをお伝えしました。
さらに、胸のレントゲンでも転移像は認められませんでした。

 術前の腫瘍の状態です。

 乳腺腫瘍

 このように、飼主さんが気づいていた部分以外にも、腫瘍がありました。
手術は、飼主さんも立ち会っていただき、腫瘍の切除術を行いました。
術前に、避妊手術も行うか相談しましたが、初めての手術なので、
心配が多く、避妊手術は行いませんでした。

 手術は、2か所、30分で終了し、その日の夕方に帰宅されました。
飼主さんは、手術前から、かなり心配され、手術中も、緊張されていましたが
手術に立ち会われ、出血が少なく、また短時間で手術が終わったことから
かなり安心されて帰宅されました。

 病理検査の結果は、2か所とも『悪性 乳腺癌』でした。
しかし、脈管侵襲もなく、完全に切り取れていると報告されました。
飼主さんもかなり、喜ばれ、安心されていました。

 今後は、腎臓の治療と、肺への転移が無いかを確認していく予定です。

 このように、早期に手術が出来れば、完治が望める腫瘍です。
しかし、直径3cm以上の乳腺腫瘍は予後が、期待できないという
報告もありますので、日ごろから、愛猫の触診をお勧めします。 

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